薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【進学】薬剤師になりたいなら。バイト、サークル、勉強に忙しい薬学部生活を乗り越えろ【就職】

薬剤師になりたいという学生さんは多いです。

今も昔も薬剤師は人気職業です。

安定した給料と雇用、資格職、医療に携わる業務…

そのようなイメージから薬剤師は昔から人気を集めています。

大学では薬学部が新設されており、その波は止まることを知りません。

今後の超高齢化社会に向け、薬剤師が人気になるのは自然なことでしょう。

医療職の需要は今後増えこそすれ、減ることは数十年は考えづらいからです。

今の日本人口のボリュームゾーンを占める団塊の世代が高齢者の枠にいる限り…薬剤師をはじめとした医療職の需要がなくなることはありません。

 

 

薬剤師ってなにするの?

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そんな人気の職業である薬剤師ですが、実際に薬剤師がどのようなことをする仕事なのかを知っている方はどれくらいいるでしょうか。

 

 

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薬剤師は患者さんに薬を渡す仕事です。ものすごくひらたく言えばそういう仕事です。

薬剤師は、医師の処方に従って、患者さんに渡す薬を用意します。

よく誤解されますが、薬剤師は処方することはできません。薬剤師は患者さんの状態にあわせてお薬の提案をすることができません。

 

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じゃあ完全に医師の言いなりなのかといえばそうでもなく、医師の処方に口を出すことも可能です。

これを『疑義照会』といいますが…医師が書いた処方に誤りがある場合、薬剤師が医師に確認した上で、適切な内容に修正してもらうことが可能です。

薬剤師の役割の真髄はここにあると私は考えています。

薬剤師は自ら処方することはできませんが、医師の処方をチェックし、それが不適切であれば速やかに訂正する。

「医師の見張り役」として活動するのが薬剤師ということですね。

 

 

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薬剤師の勤務場所は病院や調剤薬局、ドラッグストアなどさまざまです。

 

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どこで働くとしても、薬剤師である以上、基本的には「調剤(患者さんに渡す薬を用意すること)」と「服薬指導(患者さんに薬の説明をすること)」がメイン業務になります。

製薬会社で働く場合は別ですけどね。私はMRとして働きましたが、調剤や服薬指導は一切行いませんでした。初めて調剤を経験したのは、転職先の病院ででしたね。

 

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転職先はそこそこ大規模な急性期病院でしたが、すさまじく忙しく、まあ平たくいえばブラックな労働環境でした。

 

労働時間は長い、給料は安い、パワハラはある、職場内のヒエラルキーがすごい、意外とスキルが身につかない、福利厚生が悪い、勉強する体力も時間的余裕もない…

 

 

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これはダメだ!!と悟りました。

決して病院薬剤師はラクではない、それを知ったうえでの転職でしたが、予想どおりのしんどさに、あえなく転職することになりました。

 

今は調剤薬局で、いくつかの店舗をローテーションしています。

決して余裕がある環境ではありませんが、病院でヒイヒイ言いながら働いていた時期と比べれば少しはましになったかな。

 

 

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調剤薬局は意外と裁量が大きいというか、薬剤師のやりたいように動かせる環境ではあるので、患者さんのためにより良い薬局とはなんぞや?をすぐに実行に移せます。

 

新しく置いた雑誌やパンフレットの評判がいいと嬉しいものです。病院薬剤師でいたころは、職場のレイアウトの提案さえとてもじゃないけどできる環境ではありませんでした。

 

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薬剤師になるには薬学部に入ろう

薬剤師になるためには、薬学部に入らなければなりません。

これは、薬剤師が国家資格であり、国家試験を受けるためには「薬学部を卒業していること」が求められるためです。

薬学部には6年制と4年制があります。残念ながら、薬剤師になれる=国家試験を受けられるのは6年制のみです。

 

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薬剤師になるためには、最短でも6年間の在学が必要になります。

 

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4年制でも薬剤師になることは一応可能ですが、かなり面倒くさい手続きを踏まないといけないうえ、7年以上の在学が必要になります。

薬剤師に最短でなりたいのであれば、6年制の薬学部に進学することをお勧めします。

 

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多くの場合、6年制は病院などの臨床現場で働く薬剤師の養成、4年制は製薬会社での研究など、創薬研究に取り組む人材の養成を目的にしています。

 

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薬学部に進学する際には、自分がどちらの道に進みたいのかを慎重に検討してください。

進学後に学科を変更することは、一部の大学を除いて難しいです。

薬剤師になりたいのであれば、6年制薬学部に進学することをお勧めします。

 

 

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ただし、薬学部は忙しいです。

ただでさえ山のような勉強ですし、そこにさらにサークル、バイト、ボランティア、留学などの大学生らしいイベントを挟み込みますと、とんでもないことになります。

 

 

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薬学部の知人に、低学年からバイトやサークルで力を注ぎすぎたあまり、進級しそこねた人間を何人も知っています。

気づいたら某ファーストフードでバイトリーダーになっていたものの、バイトが忙しすぎて講義に行けない、なんて本末転倒な人もいました。

 

 

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 ちなみに薬学生のバイトは日払い、短期、単発がおすすめです。中長期的に働けるバイトもいいのですが、勉強やサークルと両立させるのはなかなか難しいかと思われます。

バイトするなら1日だけの短期アルバイト がたくさんある「ショットワークス」がおすすめです。(上記リンクから無料会員登録できます)

 

 

薬学部は決して軽い気持ちで卒業できる場所じゃありません。つらい勉強、忙しい生活、すさまじい難易度変動がある国家試験…これらを乗りこえ、ようやく薬剤師になれるのです。

 

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厳しい道ですが、薬剤師になる価値は確かにあります。

薬剤師に興味がある方は、ぜひ薬学部への進学にチャレンジしてみてください。

しんどいことだけは確かです。楽なチャレンジではありませんが、薬剤師という免許の力は大きいです。

 

薬剤師になるには

薬剤師になるには、まず大学の「薬学部」に入学する必要があります。

他の学部ではいけません。理学部や医学部を卒業しても薬剤師になることはできません。そしてもちろん、高卒では薬剤師になることはできません。よく勘違いして「高卒でも薬剤師の資格を取れる」と思っている人がいるみたいですが、おそらくそれは「登録販売者」の間違いです。

 

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登録販売者はドラッグストアではOTC販売に従事する人の資格ですが、これは大学を卒業しなくてもいいです。薬学部を卒業しなくても登録販売者になることはできますが、「薬剤師」は国家資格です。絶対に薬学部を卒業しないと資格をとることはできません。ここは間違えないようにしましょう。そして、「登録販売者」と「薬剤師」では、その資格の難易度はハッキリ言って天と地ほどの差があります。登録販売者は短期間の勉強で取れる資格ですが、薬剤師は「薬学部で6年間」勉強しないと薬剤師国家試験を受けることができません。ここはよく覚えておきましょう。

 

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薬学部の学費は高い

そして、薬剤師になるために避けて通れない「薬学部」ですが、これの学費が高い高い。私立大学を選んだ場合、たいへんな出費が必要になります。まだ高校生の方だとイメージしにくいかもしれませんが、6年間で最低でも1200万円の出費になります。かなり痛いです。年に200万学費に消えていくのです。裕福な家庭ならともかく、あまり家計に余裕がない家庭の出身ですとしんどいでしょう。返還不要な奨学金制度などを検討してみるのもいいでしょう。「奨学金」を借りるのも手ですが…のちのち自分で返還しなければならないのでしんどいです。

 

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 そしてこの「学費」を安く抑える一番手っ取り早い方法は、国公立大学に進学することです。しかし、国公立大学は数が少ないので競争が激しく、偏差値も高いです。そして私立大学に比べて国家試験対策なども適当であることが多いです。国公立大学に進めば学費はかなり抑えることができますが、そのぶん勉強面などのライバルが多いというしんどさはあります。また数が少ないので、地方に一人暮らし…ということを余儀なくされる場合も考えられます。

 

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私立大学で実家から通うか、国公立大学で地方に一人暮らしするか、どちらがよいかはご家族とよく相談してから決めたほうがよいでしょう。

 

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薬学部は遊べない

さて、入学した「薬学部」ですが、別名地獄の門です。これは決して大げさに言っているのではなく、薬学部での6年間は地獄と言って差し支えないのです。

 

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 まず、1年の時点から講義が多い。受験からようやく解放されて自由なキャンパスライフ!!…と思っていたら、朝から夕方まで講義づけで「あれ?高校のころより帰るの遅いんだけど…?」なんてこともざら。そして同級生のレベルも上がっているので、さぼっているとあっという間に落ちこぼれていきます。「ふりわけ」制度がある大学の方は、決して気を抜いてはなりません。6年制に進むために成績優秀でなければならない大学の方は、入学してからが戦いのスタートなのです。

 

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 覚悟しておいてほしいのは、薬学部では遊べないということです。本当に勉強だらけです。病みます。専門科目も多いですし、一般教養の単位もある。ふりわけ制度がある学校なら、すべての科目で高得点をとらなくてはいけない。毎日勉強勉強。病みます。「こんなはずでは…」「こんな大学生活を送るはずでは…」と必ず思います。

 

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わたしは10000回以上は思いました。薬学部に入ったことを本気で後悔しました。卒業できた今だから笑い話ですが、本当に学生時代は地獄の期間でした。毎日勉強とテストに押しつぶされて、難易度も高いし締切も近いし数も多いし、マジで頭がおかしくなりそうでした。

 

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 入学後、アルバイトをやっていたのですが、バイトの影響で勉強する時間がとりにくくなってしまい、成績が落ちてしまいました。あまりにも落ちて進級が怪しくなってしまったので、あわててバイトの量を減らしたり辞めたりもしました…単発や短期のバイト、あるいは塾講師のような単価が高いバイトのほうがおすすめです。忙しくなってくると私のように不器用な人はバイトと学業の両立が難しくなります。知り合いにはバイトのしすぎで留年した人が何人かいます。そんな本末転倒なことにならないように、あくまで最優先事項は学業としましょう。

 

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 ちなみに薬学生のバイトは日払い、短期、単発がおすすめです。中長期的に働けるバイトもいいのですが、勉強やサークルと両立させるのはなかなか難しいかと思われます。

バイトするなら1日だけの短期アルバイト がたくさんある「ショットワークス」がおすすめです。(上記リンクから無料会員登録できます)

 

 

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 また、遊べない薬学部ですが、サークルには入っておくことをおすすめします。なぜかというと「ぼっち」対策です。薬学部でぼっちになるとしんどいです。友達がいない状態で6年間を過ごすというのはかなりのストレスです。なにより「過去問」などの情報共有ができないので勉強に置いて行かれて留年や退学のリスクがあるのです。

 

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 あまり激しくないガチではないサークルを選びましょう。練習に本気で打ち込むようなサークルではないゆるいものを選ぶといいでしょう。運動系でも文化系でも構いません。気にする点は「薬学部の先輩、同級生」がいることです。普段の講義では仲良くなれない人ともサークルで知り合うことができます。入学当初はたくさんサークルの勧誘を受けると思いますので、スルーするのではなくとりあえず見学くらい行っておきましょう。そして薬学部の先輩がいそうなサークルを選びましょう。

 

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とりあえずサークルに所属しておけば、ぼっちは回避できます。大学生活でぼっちになると、精神的に病む危険が増しますし、留年のリスクもあります。学業生活を続けるためにも友達は必要です。サークルなり部活なりで人間関係を築いておくことは非常に重要です。過去問をもらってテスト対策にもなりますしね。

 

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学生生活後半も忙しい

忙しい薬学部ですが、学生生活後半ももちろん忙しいです。このころになると「研究室配属」があるので、どの研究室に行くかで人生が180度変わります。ホワイトに配属されたらいつ来ようといつ帰ろうと自由だし研究資金もたんまりで高い実験器具を使い放題ですが、ブラックに配属されると…朝から深夜まで常駐、ピペットは毎回洗う、抗体はうさぎから取る…ようなアナログな暮らしを強いられます…はっきり言って地獄です…ブラックに配属されて精神的に病んだ知人を知っています。

 

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研究結果がうまく出ずにパワハラを食らってうつ病を発症し、国家試験に失敗した人もいます。研究室配属はそれほど恐ろしいものなのです。ホワイトに配属されたら、かなり楽なんですけどね。

 

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 薬学部3~6年の学生生活が充実するかどうかは、ここの研究室選びにかかっていると言ってもいいかもしれません。5年の実習中でも研究させられたりしますからね、ブラックの場合は。そしてぶっ倒れて実習に行けなくなって実習の単位を落とすという本末転倒な事態になったりもします。くれぐれも事前情報をたくさん集めて、ブラック研究室に配属されないように注意してください。特に自分が「不器用」「バカ」の自覚がある人はブラックに行かないほうがいいです。死ぬほどハラスメントを食らって病む可能性が高いです。

 

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 ちなみに研究室配属されてからは日常的に論文を読むようになるので、英語力が必要になってきます。センター試験8割程度の英語力があれば、あとは専門用語さえ覚えれば読み進めることはできると思うので、特に問題はないと思います。自分が書く側になるのであれば、それ用の勉強はしておいたほうがいいでしょう。卒業時に論文を書く人も多いと思うので、このころから英語の勉強は始めておいたほうがよいです。TOEICを受けるのもいいでしょう。就活でもアピールできます。

 

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 薬学部4~6年も苦難の連続です。よくもまあ、こんなに休みなく忙しくカリキュラムを作れるなとあきれるほどです。休む暇などありません。薬学部を志す学生の皆さんは覚悟してください。薬学部に入ると、油断する時間がありません。常に課題と実験と研究とテストで身をすりつぶさなければなりません。

 

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OSCE/CBT

4年生の終盤に「OSCE/CBT」というテストがあります。これを突破しないと5年生になることができません。同様のテストは医学部にもあります。要は「仮免試験」のようなもので、実習に出るために必要な知識と技能を備えているかが試される試験です。

 

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 CBTはパソコンで行う学業テストです。主に薬学部1~4年で習った内容を凝縮させたテストです。テスト前に「コアカリ」という青い本を買うはずですので、その内容をしっかり勉強していれば、まず落ちることはないと思います。

 

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毎年しっかり勉強していればそんなに難しい内容ではありません。本番は特殊な環境ですので緊張するかもしれませんが、国家試験に比べればはるかに簡単です。むしろこんなところで詰まっていては、薬剤師国家試験なんて絶対に突破できません。CBTは必ず越えましょう。合格率99パーセントですので。コアカリの内容をしっかり勉強していれば問題ないはずです。

 

 OSCEは実技テストです。制限時間5分以内に、指示された内容を正確に素早くミスなくこなせるかを、複数の薬剤師の目によってチェックされます。これは緊張します…自分の後ろに2~3人薬剤師が立って自分の挙動を観察するんですからね。だいたい薬学部の実験室や模擬薬局を使って、「散剤調剤」とか「液剤調剤」などの調剤作業、「監査」などの調剤内容チェック、「初回面談」「服薬指導」などの患者コミュニケーションをチェックします。これらのテストにも一応一発アウト事項はあります。「ガラスアンプルを使った無菌調剤」で、出血してしまったらアウトです。ガラスアンプルを割るときは十分注意しましょう……。

 

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 また髪型や服装も結構細かくチェックされます。前髪の長さとか見られたような気がします。不安な人は短く切っておくか、ピンやスプレーで固めておくといいでしょう。肩につく長さだったら縛っておきましょう。白衣はちゃんと洗濯してしわを伸ばしたものを。ひげは剃っておいて、メイクは薄めに。ジーンズやミニスカートはNG。ネイルや長い爪もNG。ピアスやネックレスもダメです。厳しいと言われるかもしれませんが、医療職なのである意味当たり前かもしれませんね。

 

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 個人的には難易度はOSCE>>>CBTでした。CBTはまあいつものテストの延長なので勉強さえしていれば受かるのですが、OSCEは実際に体を動かしますし、制限時間がありますし、薬剤師の監視がありますし…うっかりボーっとしてチェック項目を逃してしまったりすると減点されるので、要注意です。OSCEは7割得点できれば合格します。明らかな調剤ミスや大けががなければ合格できるはずです…もちろん、薬学部の名ぜりふ「おつらいですね」は忘れないように。

 

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11週間の実務実習

CBT/OSCEをこなして、5年生からはついに実務実習です。これがまたしんどい。いや、実習先がホワイトだったら楽なんですけど、実習先がブラックだったらもう……実習先は選べない(大学側が勝手に決める)ので、事前評判が悪い実習先に派遣なんてことになったらご愁傷様ですよ。わたしも実習先を告げたら「うわっかわいそう」って言われました。そして実際えらい目に遭いました。

 

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 実習は11週間が2回、がベースです。学校によって3回や4回のところもあります。実習先はほとんどが病院と調剤薬局です。病院では調剤や病棟薬剤師、ICU、TDM、電子カルテの使い方、治験、麻薬管理、チーム医療、カンファレンスなどについて学びましたかね。指導薬剤師について、その薬剤師が担当する病棟の患者さんに対して自分が実際に服薬指導したりすることもあります。自分で担当患者を持つというのは結構なプレッシャーです…患者さんの疾患や状態について電子カルテから読み取り、知らないことを勉強し、次の服薬指導では何を言えばいいのか?について考えさせられます。

 

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特に病院の入院患者さんというのは、診療科目によりますがヘビーな方が多いので…自分は「命」とかかわっているのだということを嫌でも実感することになります。

 

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 調剤薬局は11週間は正直長いんじゃないか?と思います。わたし自身、実習の終盤はマンネリ化していました。指導薬剤師との関係も悪化するばかりでしたし「どうするのよこの空気…」という毎日でした。とにかく日々が過ぎるのを祈る毎日で、何もハラスメントがないまま終わることを毎日懇願していました。

 

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わたしに限った話ではないですが指導薬剤師のパワハラセクハラは結構あったみたいでした。「女のくせにこれもできないのか」とか言われたことも普通にありましたし。女でもできないことはありますからね普通に。どんだけ石頭なんだって思います。

 

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 指導薬剤師とうまくいかない人も多いと思います。相手はただの薬剤師です。特別人格が優れているわけでもなんでもない、ただの人です。医療人だからといって人格が優れているわけではありません。そこを期待してしまうとギャップでかなりショックを受けてしまいます。薬剤師と言っても普通の人間なので、すごく感情的になったり、理屈にならないことを言ったり、えこひいきしたり、気に入らない人間には教えなかったりします。そういうのは指導者として最低の態度だと思います。しかし、実情、そういう指導薬剤師がいるというのも事実です。

 

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 実習でトラブルやハラスメントに苦しむ方には、自分が嫌がらせされた内容をしっかり記録しておくことをおすすめします。レコーダーで暴言を録音しておくことも推奨します。いつでも大学や警察に突き出せるように。泣き寝入りしてしまっては大学にとっても今後実習を受ける後輩にとっても被害が大きくなります。わたしが知るパワハラが有名な薬局は、実習生が代々大学に文句を言い続けたおかげで、実習候補から外されたそうです。「正義は勝つ」と思いましたね。どう考えても実習先としては不適切な噂しか聞きませんでしたからね。そういう欠陥実習先はどんどん駆逐されてしまえばいいと思います。

 

 

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薬学部の就活

最近は3月から就活開始なのでしょうか?薬学部の就活は比較的穏やかです。特に調剤薬局希望の場合なら、最悪国家試験が終わってからでも全然間に合います。今はまだ薬剤師不足なので、6年生の3月から就職活動を始めても問題ありません。

 

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 ただし、楽なのは薬剤師として就職活動をする場合だけです。製薬会社に行きたいのであればほかの学部の学生と一緒に就活で戦わなければいけません。これが結構大変です。とくにMRになるのでしたら、文系や体育会系の学生をなめていてはいけませんよ…彼らは強敵です。

 

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 製薬会社に行くのならおおまかにいえば「研究」「開発」「MR(営業)」でしょう。よく「研究開発」と一緒くたに扱われることが多いですが、製薬会社での「研究」「開発」はやることが全く異なります。注意してください。

 

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 またMR(営業)ですが、給料が高い、自由時間がある程度ある、成績に応じて給料が伸びる、などのメリットもありますがハードワークでもあることも確かです。コミュ力と体力、精神力に自信がある人でなければ長続きしないかもしれませんね。

 

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 安易に「給料がいいから」とMRになるのではなく、そもそもMRとはなんなのか、どんな仕事をしなければならないのか…をちゃんと調べておいたほうがいいでしょう。

 

 

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薬剤師国家試験

6年生の2~3月。薬学部6年の集大成として、薬剤師国家試験が行われます。この国家試験ですが、難易度が読めない。ゆるゆるでやってきたと思ったら次の試験は激むずだったりするので本当に油断なりません。去年が簡単だったから今年は簡単とか思わないほうがいいです。98回も簡単だったのに99回は難しかったし、100回も難しかったでしょう。国家試験はどうも情緒不安定というか、レベルを落ち着ける気がないみたいです。受けるほうの寿命が縮まりそうなので、やめていただきたいですね…

 

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 自分の実力に自信がある方以外は早めに対策しておいたほうがいいでしょう。わたしのように謎の自信があって後でひどい目にあうよりずっとましです。青本をこつこつ読んで、問題を解いて、毎日少しずつでいいから勉強していきましょう。あとで死ぬ目にあうよりかは、余裕をもってちょっとずつ対策していく方がましです。

 

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あとは体調管理。特に一人暮らしの方は、風邪をひかないように十分注意してください。加湿、あたたかくする、生カキなど食べない、むやみに外を出回らない、睡眠時間はちゃんととる、生活リズムは整える、など……一人暮らしだと嫌でも生活リズムは少しずつ狂っていってしまいます。勉強で大変だとは思いますが自分を律して、健康的なリズムで国家試験に備えられるようにしましょう。国家試験は朝早くから行われるので、その時に十分に脳みそが動くように、試験前から準備しておきましょう。

 

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 当たり前ですが徹夜はご法度です。無理して詰め込んでも知れています。普段からしっかり勉強できているのなら、直前にあわてなくても問題ないはずです。自分を信じて試験に臨みましょう。

 

 

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薬剤師になるには、つらい薬学部生活を乗り越えなければ

以上、ながながと書きましたが、要は薬剤師になるにはつらく厳しい薬学部生活を最低でも6年間乗り越えなければならないということです。ウソ偽りなくいうのであれば、薬学部はしんどいです。

 

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課題を片づけたと思ったら新しい課題が来るし、なんかもうバカじゃないのってくらいテストの種類は多いし、休みは短いし、実験は毎日するし、土日の休みもないし、夏休みは短いし、とにかくしんどいです。文系学部と同じノリで入学しては絶対にいけません。繰り返しますが薬学部は地獄の門です。6年間という地獄を越えられる自信のある人しか入ってはいけません。

 

 

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 わたしは適当な考えで薬学部に入った結果、めちゃくちゃ後悔しました。こんなに勉強だらけの学部とは知らなかったし、難しいし、ついていけないし、友達はみんな頭がいいから置いてきぼり食らったような気分だし、先生に質問しても「はあ?」みたいな態度だし、手先は不器用で実験はミスだらけだし、レポートは書き直しを命じられるし、テストも再試を食らうし、はっきり言って落ちこぼれだし、もう何万回も「この学部向いていない」と思いました。

 

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正直、卒業した今も、薬学部が自分に合っている学部だったのか自信がありません。どっちかというと薬剤師に向いていない人間だったと思いますし、それゆえにいらぬ苦労をたくさんしたような気がします。薬学部以外の進路だったらもっと自分の才能を伸ばせたんでは、って思うようなこともあります。今更言っても遅いことですけれど……

 

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薬剤師が天職だとは思っていませんし、正直、ほかの学部でほかの仕事についていればもっと人生楽だったのかなと思うようなこともあります。しかしまあ、免許をとれたということで、今後の生活の不安がないということは大きいのかなと思います。やっぱり国家資格は大切ですので。6年間苦労して取った価値があったなと思います。

 

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 ですので、薬剤師になりたい、と思っている高校生の方、これから薬学部に入りたいと思っている方(社会人含む)には、これだけ苦労しても卒業できる覚悟があるか?ということをわたしは聞きたいと思います。わたしは死に物狂いで卒業しました。ほんとにもう、地獄でしたよ。もっと要領がよくて頭がよければ余裕だったんですけど、自分のキャパを見誤ったのが失敗でしたね。ほんとに後悔しました。卒業した今だからネタにできますが、本当に学生のうちは何回も転学を考えました。

 

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 これから進路選択をする方には「薬剤師」は決して楽な道じゃないんだよ、ということを繰り返しお伝えしたいです。決してふわふわ簡単に取れる資格ではありません。それだけは肝に銘じておいてください。