薬剤師のメソッド

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【進学】「医学部行きたかったけど妥協して薬学部に来た」学生が危険な理由【学歴コンプレックス】

医学部。

それは理系学部でも最高峰であり、どの学部も文句をつけようがない高い偏差値・勉強量を誇ります。

このブログでしつこく「薬学部はしんどい」と言い続けましたが、医学部とは比較になりません。

医学部生の勉強量は薬学生のそれとは比べ物になりません。

医師として成功している友人を見る限り、薬学生とは比較にならない高いモチベーションと、多い勉強量と、「患者さんを救いたい」という強い倫理観を持っています。

医学部は選ばれた人間しか行けません。

軽い憧れで進学できるほど甘い学部ではないことは、火を見るより明らかでしょう。

「医学部崩れ」が薬学部にはとても多い

これから薬学部に入学する方は、同級生をよく見まわしてみるといいでしょう。

必ずいます。

「本当は医学部に行きたかったのに諸事情で妥協して薬学部に来ざるを得なかった人」が。

たとえば初期だけ登校してあとは全く来なかったり、同級生に「本当は医学部に行きたかったけど~」と吹聴して回ったり、薬学部の講義中なのに「医学部受験」用のテキストをひろげて勉強していたり…要は薬学部へのモチベーションが全くない学生のことです。

 

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 「医学部崩れ」の出現は薬学部にとってはもはや風物詩です。「また今年もいるのね」くらいにしか思いません。先生も接していてわかるそうです。明らかに薬学部に来たことに不満を持っていたり、薬剤師をバカにしていたり、「本当は医者になりたい」オーラをひしひしと放っているそうです。

 

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そういう学生は薬学部にいても長続きしないので、先生もあまり目をかけないようですね。妥協していられるほど薬学部は楽じゃないし、「薬剤師」は「医師」に絶対勝てない職業ですからね。

 

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 薬学部にはこのような「医学部に行きたかった」人間がごろごろいます。本当にどの学年にもいます。

大体の人が消えていくか、薬学部に無理やりなじむかの道をたどっていくのですが、どっちにしろキツそうです。医学部への挑戦は勉強がしんどいですし、薬学部に居続けるのは自分を騙し続けることと同義なので、自分の本心とかけ離れたことを学ぶ現実に絶望する人が多いです。

 

 

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 いつもいつも思うのですが、本当に薬学部に行きたい人が、こういう「医学部に行き損ねた人の滑り止め」で阻まれるのが本当にうっとうしいというか…どっか行けよって思ってしまいます。そういう人たちって医学部に受かったら平気で転部しますからね。

薬学部の貴重な席を奪っといて、学校には一切来ずに、医学部に消えていきますから…仮面浪人するのは勝手ですけど、薬学部のイスが奪われるのはいつも不満です。

「薬剤師」は「医師」に絶対勝てない

「医学部に行けなかったら薬学部に来た」という安易な理由で薬学部に来る学生が多いです。それはそれでいいのですが「薬剤師」というのを高く見積もりすぎな人もいる印象を受けます。「薬学部は医学部の次に難しいのだから、薬剤師は医師に次ぐ偉さ。つまり能力によっては医師と対等にディスカッションできる強さを持っている」と誤解している学生が多いです。

 

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しかしはっきり言っておきますが、薬剤師は医師より格下です。そしてこの先、よっぽど薬剤師界隈に革命が起きない限り、薬剤師が医師と対等になることなんて永遠にあり得ません。まして薬剤師が医師に勝つなんて、天地がひっくり返ることがないと無茶です。

 

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 理由の一つとして、「薬学部で優秀な薬剤師は、臨床現場に行かないことが多い」ことが挙げられます。

旧帝大の薬学部を卒業した薬剤師の多くは、病院や調剤薬局、ドラッグストアなどの「現場」には行きません。薬学研究を極め、製薬会社やアカデミックの研究・開発職に就く人が多いです。

現に、製薬会社の研究・開発職は旧帝大の薬学部出身者だらけです。

 

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 一方、医学部でトップレベルで卒業した学生は医師になり、現場を経験します。もちろん基礎研究に戻ったり大学院に進む人もいるのですが「現場経験ゼロ」の医師というのは少ない者でしょう。少なくとも薬剤師の「現場経験ゼロ」に比べれば全く数が違います。

 

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つまり「優秀な人が現場にいる確率」が、明らかに医師>薬剤師なのです。優秀な薬剤師の多くは研究や製薬業界に流れていきます。

なぜって、やはり現状でできる薬剤師の業務の幅に限界を感じて「こりゃつまらんわ」と思う人が多いからでしょう。言い方悪いですけれど「袋詰め」ですからね。旧帝大の薬学部を出てわざわざドラッグストアで品出ししながら「袋詰め」したいか?そう思う人は少ないでしょう。

 

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 ですから、はっきり言って現場レベルも医師>薬剤師です。上記の現象が起きているのだから当たり前です。

優秀な薬剤師は現場に立たないのですから、現場で優秀な医師がいたとしたら、それに逆らえる薬剤師なんてほとんどいません。基本的に薬剤師は、医者の言うことを聴くだけの存在です。もちろん疑問があれば疑義紹介しますし、明らかな誤りがあれば代替案を提案することもあります。

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しかし、常日頃から医師と一緒に患者さんの処方について口をはさむなんてことはあり得ません。現在の日本では「処方権があるのは医師だけ」です。薬剤師が患者さんの処方を考えても無駄です。薬剤師のミッションは医師に言われたとおりに調剤をすることだけです。

 

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 よく大学では「チーム医療を推進していきます」「これまでは医師主体だったけれどこれからは患者さん主体で、医師も看護師も薬剤師もほかの職業も平等に意見を出し合って刺激の多い薬物治療をなんたらかんたら」なんて理想論を並べる先生がいますけど、あんなのうそっぱちです。

 

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現実は、医師の言うことを聴くだけで精いっぱいです。そして「医師の言うことを聴くだけ」で済むのがぶっちゃけ楽です。だって処方箋をさばくだけで一日が終わります。これ以上にクリエイティブな仕事を要求されたら、薬剤師のレベルは上がるかもしれませんが、ブラック労働が進みます。

 

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医師の過労死も報道されていますが、これは「自由が多い分、責任も重い」からです。その点薬剤師は、やれることが少ない分「ひっかぶる責任は医師よりも軽い」わけですから、ある意味気楽です。クリエイティブではありませんが、ルーチンさえこなしていればおまんまいただけるんですから、気軽なものです。

 

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 何が言いたいって、現行では「薬剤師は医師に勝てない」っていうことです。これは断言できます。

薬剤師が今のレベルのままでは、到底医師に勝てません。旧帝大薬学部の卒業者を強制的に現場経験させるとか、現場からの流出を防ぐ手を打たないと、頭脳レベルで医師に対等に並ぶことなんて不可能ですからね…

 

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中堅以下の私立・国立がボリュームゾーンである「現場薬剤師」が、旧帝大・私立上位入り乱れる「現場医師」より勝る臨床知識を誇るなんて、普通に考えて無理ってことは理解できるでしょう。学歴主義は現場では役立たないとは言いますが、やはり「カシコイ」人が上に立ってくれないと、下もモチベーションが上がらないのです。

 

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 医者の過酷さは、医学部を目指す人なら知っているでしょう。きついですよ。もうあんなのなるもんじゃない。本当にしんどい。高い志がないときつい。そして男尊女卑も激しい。見てくださいよあの東京医科大学のありさまを。きっとあんなの序の口で、他の学校も同じようなことやってますよ。医者の世界って極悪です。

 

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本当に薬学部で大丈夫?薬剤師で大丈夫?医者になりたくないの?

妥協で薬学部に来た学生さんに言いたいのは「本当に薬学部でいいの?」ということです。妥協で6年乗り切れるほど薬学部は楽じゃありませんし、勉強ばっかりですし、遊べませんし、試験も多いですし、精神的に病みますし、学費もかかりますし、時間もかかります。

 

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 そのわりに「薬剤師」は高年収の仕事なのかというと、???????です。少なくとも医者とは比べ物にならないでしょう。同じ6年間を注いでも、医師と薬剤師では平均年収が全く違います。

勤務医師については

年収:1,479万円(厚生労働省調べ
月収:123万円

大学病院の医局に進んだ場合は、
講師で700万円台、助教授で800万円台、教授で1000万円といわれています。
平均年収は:800~1000万
開業医になると平均で平均年収は1200万円~2000万円台と大幅に増える可能性があります。 

 

勤務医師の平均年収は800~1000万円!年齢別年収推移や医科別の年収について完全解説|平均年収.jp

 

一方、薬剤師は

平均年収:590万円(平成27年度人事院統計表 

 

薬剤師の年収は590万円!薬剤師の年収について詳しく解説します。|平均年収.jp

約2倍の開きがあるわけです。これだけで医師と薬剤師の「格」は全く違うことがわかるでしょう。まあ勤務医はスーパー激務なので「時給」換算したら薬剤師のほうが勝つかもしれません…定時上がりの調剤薬局で500~600万そこそこ稼ぐ薬剤師が一番勝ち組かもしれませんね、ワークライフバランス重視型であれば。

 

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 もちろん平均年収「600万」というのは一般のサラリーマンの平均年収を上回りますし、世間的に見れば高収入の部類です(超高給ではありませんが、生きていくには十分な金額です)。しかし、「医師と同じくらい稼ぎたい」と思うのであれば、残念ながら薬剤師でそれを実現させるのは非常に難しいです。

 

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製薬会社のMRでバンバン成績を上げて出世するか、自分で薬局経営して成功させるかしかないでしょう。雇われ薬剤師の身で年収1000万オーバーは現況では非常に難しいです。今後、薬剤師の飽和問題もうわさされているので、薬剤師の給料は下降してしまうおそれもあります。

 

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 ですので「稼ぎたい、1000万以上稼ぎたい」という人が薬学部に進んで薬剤師を目指すことははなはだしく疑問です。薬剤師は稼げる仕事ではありません。一攫千金ではありません。医師と同じ稼ぎを期待するのならとんだお門違いです。

 

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 あなたが「医師になりたい」という気持ちが強いのであれば、正直、薬学部で妥協しないほうがいいんじゃないかって思います。妥協して薬学部に来た人は結局辞めていきます。医学部に編入したり、他学部に行ったり…とにかく薬学部を去っていきます。薬学部は医学部ほどじゃないけどしんどい学部です。勉強量多いし…進級できないし…学費高いし…

 

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 金銭的な都合でこれ以上浪人させられない、などの事情があるのであれば仕方ありませんが…社会人から医学部に入る人もいるみたいですし、お金に余裕があったら再挑戦するのもいいかもしれませんね。

断言できるのは「医師の夢をあきらめたからって薬剤師になっても、その夢が失われるわけじゃない」ってことです。薬剤師は医師の代わりにはなれません。医師になりたかったというあなたの夢は、この先もずっとあなたを縛り続けます。

 どうか後悔のない進路選択を行ってください。薬学部は医学部の代わりではありませんし、薬剤師は医師よりはるかに格下です。「処方」はできませんし「診察」もできません。年収だって医師の半分です。

 

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そういう職業であることを承知で薬学部に進むのなら、がんばって勉強して卒業してください。まだ気持ちに迷いがあるなら、十分考えて、自分の進路を見つめ直してください。

個人的には、若いうちはまだ取り返しがつくので、やれることをやれるだけやっといたほうがいいと思います。後悔を残したまま薬学部に進んだところで、途中でとん挫してしまうのは予想されるので…強い意志がないし、続きません。

何と言われようと、みじめだろうと、嫌な思いをしようと、それでも薬剤師になるんだっていう強い気持ちが無いと、薬学部は卒業できません。ましてそれが医学部なら…厳しい厳しい道になるのは想像に難くないはずです。

生半可な気持ちでは薬学部は卒業できません。それだけ心得ておいてください。