薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

薬剤師になって良かったこと。学費は高いけど…転職先に困らないのは本当に安心。生活の安定

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薬剤師になってよかったなと思います。

学生の頃は本当にしんどかったですけどね。

 

薬学部にいたころは毎日が勉強、レポート、課題、試験、実験、学会、セミナー準備でわけがわからないほど忙しく、「こんな日々の果てに薬剤師免許を取っても、果たして報われるのだろうか?」と疑問に思うこともありました。

 

おそらく同じように思っている薬学生の方は多いと思います。勉強がつらすぎてやめたい、と思う方もたくさんいると思います。

 

しかし、今にして思うのは「薬剤師になってよかった。免許を取っておいてよかった」ということです。卒業してからしみじみ感じます。

薬剤師は転職先に困らない

一時は「薬剤師過剰飽和でワーキングプア。弁護士や歯科医と同じ運命に」なんて囁かれていましたが、実情は薬剤師バブルは続いています。

 

調剤薬局の正社員求人など腐るほどありますし、ドラッグストアの薬剤師なら調剤未経験でもいきなり年収600万円台を得ることができます。

 

 

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製薬会社で年収600万円台にたどりつきたければ、最低でも3年は続けて勤務する必要があります。製薬以外のメーカーなら、30歳時点で600万円、なんてケースはほとんどありません。

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たとえば電通、キーエンス、テレビ局のようなすさまじい給料を薬剤師に期待するのはやめた方がいいです。しかし「安定」した暮らしを得たいのなら、薬剤師はまだまだおすすめです。現状は。この先、いよいよ本当に薬剤師過剰飽和時代が来てしまったならば、わかりませんけどね…

 

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もちろん今後の時代はわかりませんしアップデートする必要はあるでしょう、AI時代に対応しなければなりません。これからの時代から6年制薬学部に入り、卒業するころの社会はどういう医療システムなのか予測はつきません。単純な調剤はもう省略されてそうですし…

 

わたしは薬剤師は剣ではなく盾だと思っています。世の中をドラスティックに変えたい人には向いていないかもしれませんが、生活を安定させるには重要なアイテム。

薬剤師という重要な保険アイテムを持ったうえで別の職域にチャレンジする人も多いです。

人生における「安心感」を得たいなら薬剤師はオススメです。そこにたどり着くまでの不安がやばいですけど。

 

一般的には転職を繰り返すと年収は落ちていきますが、薬剤師に関してはあまり適用されません。製薬会社→病院のようなあからさまにギャップがある転職だと別ですが、基本的に薬剤師である限り一定の給与は保証されます。未経験でもOKなとこ多いですからね。

 

薬やサプリメント、栄養に詳しくなれる

たとえば熱が出たとき。

ドラッグストアに行き、自分に合った風邪薬や漢方薬を自分で選ぶことができます。

「眠くならない痛み止め」を選ぶことができます。

 

わざわざネットで調べたり、お店の登録販売者や薬剤師に聞かなくても、自分の知識でモノを選ぶことができます。

日々の食事、運動、摂取するサプリメント、その摂取の仕方、眠り方、眠る時間、ほかにもライフスタイル全般において……薬剤師の薬や疾患、人体の知識を活用することができます。

 

 

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これにより薬剤師は「セルフメディケーション」つまり、自分で自分の疾患を予防するために健康管理することが可能になります。健康は一番の節約です。暴飲暴食する日があってもいいですが、25過ぎたら健康管理を意識したほうがいいです。

 

薬剤師は日頃から健康の知識を仕入れ、アップデートできるので、自己管理しやすい職業といえます。

 

 

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「人の健康に貢献する」という達成感

薬剤師はなかなかやりがいを見つけづらい職業です。

「病院で待って、なんでまた薬局で待たされなきゃいけないの!?」と患者さんに怒られることはしょっちゅうありますし…薬の説明を聞いていただけないこともあります。

 

分かりやすく人の役に立つ仕事ではないかもしれない、と思います。調剤監査とか疑義照会とか薬歴管理とか、「患者さんの健康を守るための薬剤師の仕事」は、「患者さんから見えない場所」で行われているのがほとんどですからね…

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しかし、患者さんとお話しする中で、「前回話した内容を覚えていてくれたの?うれしい!」とか「あのとき悩んでいたこと、アドバイスもらったとおりにやってみたら良くなったよ!」と言っていただけることがあります。

 

その瞬間、わたしは薬剤師としてとてもやりがいを感じます。薬剤師として自分の仕事が、ちゃんと患者さんの健康につながったのだ、と実感できるからです。

 

 

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薬剤師の監査がないと防げなかった処方ミス、朝昼晩で飲みやすいようにマーカーで色付けした薬の一包化、使い方がわかりにくい薬はメーカーのMRに質問したりリーフレットを取りよせたり……

 

小さなことですが、患者さんの手元に薬が行くまでに、多くの工夫が積み重ねられています。そしてそれによって患者さんの健康が改善すれば、「薬剤師として仕事をしてよかった」と達成感を得られます。

 

 

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ひごろのルーチンではやりがいを見失いそうになることもありますが、仕事の先には必ず患者さんがいます。患者さんの役に立つ喜びを得られるのは、薬剤師の特権といえるでしょう。

 

薬学部をやめたい、薬剤師になるのもあきらめたい…そんな学生さんもたくさんいるでしょう。わたしもそうでした。本気で勉強が嫌すぎて何百回も逃げ出したくなりました。

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知り合いには薬学部生活が嫌すぎてうつ病になったり、謎の自分探しの旅に出かけたまま音信不通になった人がいたり、薬剤師国家試験に失敗したままフリーター生活を続けている人もいます。本当に簡単な道のりではありません。誰でもできるものではありません。

 

 

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だけど、薬剤師になった今、わたしが思うのは「つらかったけど薬剤師になってよかったな」ってことです。6年間の苦労はちゃらになりました。

今のわたしの生活は、薬剤師免許に助けられまくっていますから。

 

 

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薬剤師になったら、なんだかんだでいいことが多いです。

薬学部をやめたくなる気持ちもわかりますが、あと少しだけがんばってみませんか。