病院薬剤師、大変でした。
軽い気持ちで転職したのが間違いでした。
そもそも、病院薬剤師ってなんとなく憧れていたんですよ。
響きがカッコいいじゃないですか、病院薬剤師って。
医療ドラマみたいな世界の中で、患者さんのためにばりばり働いて医療に役立つことができたらいいなって。
仕事の中で輝く私素晴らしい!なんて思ったこともあったのです。今思えばはかない幻想ですが…
病院薬剤師は、とにかく疲れる
体力勝負です。朝から晩までたちっぱなしだし、一日中座らないことなんてざら。調剤をしていたかと思えば病棟に移動し、デスクでパソコンを開いて電子カルテを記載したかと思えば病棟から呼び出しがかかり、また病棟に移動し、携帯にはひっきりなしに電話がかかり、新患さんの持参薬調査をしたかと思えば、化学療法前の患者さんに抗がん剤の説明をしてきてくれと指示が出たり…
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日中が調剤と服薬指導と薬歴と在庫管理で過ぎていきます。一日が終わったかと思えば今度は部内の勉強会や製薬会社が開催するセミナー、講演会に連れていかれます。
社会人ドクターの場合は、そのあとさらに研究室にこもって実験したり論文を書いたりします……地獄の生活です。
まあ、それが普通なんですけどね。病院薬剤師するならそれだけ大変な環境だろうと当たり前にしてろってことです。
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生活の大部分を仕事に吸い取られる
とてもじゃないけれど普通の生活を望む人は、病院薬剤師、とくに大きな病院の薬剤師になるものではありません。
生活のほとんどを病院に吸い取られていきます。スキルアップするかもしれませんが、それ以外のなにかを失う気がしないでもない…
よほどタフなら続きそうです。
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激務だわ、そのくせ信じられないほど薄給だわ、本当にどこにいいとこあるんだ?って思ってしまいました。医療ドラマのように「先生」ぶれるのかと思ったらそんなことも全くありませんでした。
調剤業務に追われすぎて意外と患者さんに触れ合える機会も少ないですし、これなら調剤薬局の方が患者さんと密なコミュニケーションが取れるのでは?と思いました。
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住めば都とはいいますが、どれだけ住んでも慣れないこともあります。毎日しんどいわ…こんなのいつまで続くの…大学時代のイメージと全然違うじゃん!と絶望してしまいました.
ギャップに病む
朝から晩まで調剤マシーンと化していると「6年制の薬学部を卒業してまで薬剤師になった意味とは…?そしてわざわざ病院薬剤師を目指した意味とは…?」とうつろな目で考えるようになってしまいます。
この段階まで来ると心も体もだいぶ病んでしまいました。食事もあまり喉を通らなくなりました。
毎日辛かったですね。理由もないのに涙が出たり、電車を乗り間違えたり、頭がまともに動いてくれてなかった。
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これはもう逃げるしかないな、と判断しました。
つらかったら転職も手だが、安易に決めるとやばい
最悪の職場に居続けることは精神的にもしんどいし、健康も損ないます。決断したならばさっさと転職すべきです。すべきではあるのですが、適当に判断すると…今回の私のようなケースになります。
病院薬剤師=かっこいい、薬剤師の中でもレベルが上、みたいな適当すぎるイメージで考えていると痛い目に遭います。イメージはあくまでイメージであり、実情とは違うものですからね…
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就職にしろ転職にしろ、十分な下調べは必要です。そりゃ入ってみないとわからないことはたくさんありますが、だからといって調べるのを放棄するのは悪手です。リスクは可能な限り回避しましょう。プロの相談を受けることが一番です。
自分で探すのは、自分のセンスが信用できる場合であれば別ですが…自分の市場価値を知るために転職のプロアドバイザーを利用する価値はあります。私もよく考えて転職すればよかった…勢いだけではろくなことになりません。
病院薬剤師には向き、不向きがある
結局激務に音をあげたわたしは、約1年で転職しました。調剤薬局に転職しましたが、こちらでは自分のペースで比較的自由に仕事をさせてもらっています。もう病院薬剤師で働いていたころのようなとてつもない忙しさはなくなりました。
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1年で転職したわたしはこらえ性がないかもしれません。しかし、つらいのを一所懸命耐えようとしすぎると、心と体が壊れてしまいます。
我慢できることじたいはいいことなのですが、自分の限度を超えてもそれに気づこうとせず、無理を続けるのは、自分の心身から出ているサインに目を背けているだけ、と言ってもいいかもしれません。
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職場の急性期病院では、メンタルを病んで退職した人もいました。中には「明らかに病んでいる」にも関わらず、健康であるかのようにふるまって仕事をしている薬剤師もいました…。
痛々しかったです。
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「まじめ」が悪い方向に働くことも
「まじめ」「責任感が強い」「仕事を抱え込みがち」「自分の全エネルギーを仕事に傾けすぎる」「仕事以外の時間の使い方を知らない」「自責的」……このような人は、うつ病になる傾向が強いです。病院薬剤師で一所懸命働こうとがんばっている方。このような性格の方も少なくはないのでしょうか。
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一所懸命取り組むことじたいはいいことなのですが、それを無理して続けるのは、最悪、メンタル疾患や自殺のリスクを含む危険行為です。自分が思いのほかもろい存在であることを、もっと自覚したほうがいいです。
心の健康は、気合や根性で保たれるものではなく、日々の生活習慣がつくるものです。
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「仕事がつらい」「やめたい」と感じるのは、甘えではなく、もしかしたらあなたの心と体から出ている危険のサインなのかもしれません。
理屈で乗りこえられるもんじゃないですし。体って簡単に壊れますからね。
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逃げることも手段
あなたに相当なタフネスがあるのならその職場で頑張り続けることもひとつの手ですが、どうしても解決できない問題、とくに人間関係の問題があるのであれば、いっそ職場そのものを変えてしまうこともありです。薬剤師は、その気になればすぐに転職できるので。
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病院薬剤師は閉鎖的な世界なので、職場いじめやパワハラなどもしばしば話に聞きます。自分だけで悩まずに、カウンセリングや心療内科を利用したり、仕事に関しては信頼できる人に相談してみるなど、一人だけで問題を抱え込まないようにして下さい。
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甘い気持ちで進路を選んだら失敗した
そもそも最初に製薬会社のMRになったわけですが、それも「お金が稼げるから」というしょうもない理由です。それは達成されたのですが勤務環境のハードさにすぐにリタイアしてしまいました。
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そして自分の体力のなさ、へぼさを理解しないまま病院薬剤師に行ってしまった。生活リズムが崩れるのが分かっている仕事を選んでしまった。
夜勤なんて絶対向いてないのにやってしまった。給料が安いと生活がしんどいなんて当たり前なのに、ちゃんと覚悟してなかった。病院薬剤師ってなんかすごそう、そういう漠然としたイメージだけで就活していたから、大失敗してしまったんです。
自分に向いているものを理解していなかった。情けない限りです。
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医療従事者として自分の適性をよく考えておくべきだった。
自分に向いていないことを無理やりやっても続くわけがなかった。自己分析が足りなかったし、他人の意見を聴こうという発想もありませんでした。思い込みで行動すると失敗します。
向いてないことをやるな
転職だってそうです。勝手なイメージで選んでも、だいたいうまくいきません。事実や実績、そして自分の適性を見ることが一番大切です。
客観的なアドバイスをもらうことも大事ですね。
転職も検討しよう
新人病院薬剤師として活躍するつもりがぼろぼろになってしまったわたしは、結局転職することに決めました。やはり仕事のやりがいだのなんだの言っても自分の心と体が最も大切です。転職の際には「薬キャリ」を使いました。
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自分の現況への不満と、自分が行きたい次の世界についてのプランをコンサルタントに話すことで、未来がクリアになります。わざわざつらい環境で自分を耐えさせることに意味はありません。
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自分がより楽に、楽しく過ごせるほうに生き方を変えましょう。たしかに病院薬剤師はかっこいい、先進的な医療というイメージがありますが、そこに自分が居続けることに意味があるかはわかりません。
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やりがい ってそんなに大事か?
医療職によくある「やりがい搾取」にだまされてはいけません。いくら人のために尽くす、力を使う仕事だとはいえ、自分の心身まで犠牲にしてはいけません。どんな仕事であろうと自分の体が一番大切です。自分を守るために転職することは何ら悪いことではありません。
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転職は悪いことではありません。自分の今の状況に耐えることは決していいことではありません。もちろん速攻で音をあげて逃げ出してしまうことはよくありませんが、自分の体調まで犠牲にして働く意味などありません。どんな職業であろうと、自分の心と体が最も大切です。
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今の状況に不満を抱いている薬剤師の方は、転職コンサルタントに相談してみることがいいでしょう。転職についてプロの知識を持っているコンサルタントに現状を伝えることで、よりよい職場環境を提案してもらえることができます。
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自分の人生、そして薬剤師としてのキャリアを今後より充実させるために、転職という選択肢も考慮してみましょう。元気なうちに登録しておくことをおすすめします。病んでしまうと、転職サイトに登録したり求人を見たりする気力もなくなってしまうので…即行動がおすすめです。
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