薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【中退】薬学部で留年した大学生へ。大学辞めたい?転学・転部も考える?【休学】

薬学部は難しい学部です。

このブログでも口酸っぱく言っていますが、まだまだ言い足りません。

薬学部は難しい学部です。

どうしてわたしがここまでしつこく薬学部は難しいと言い続けるかと言うと、自分が安易に薬学部に入って、死にかけたからです。

比喩ではありません。本当に何回も病みました。

卒業できるか心配で仕方なかったですし、学年末はいつも留年の危機におびえていました。

なんとか努力や運が味方してくれてストレートに卒業・国家試験に合格できましたが、わたしのようなケースはむしろ珍しいのかもしれません。

それくらい薬学部は難しい学部です。

薬学部の留年生は非常に多い

薬学生の方ならよくわかると思います。薬学部にこれから入る方はぜひ同じ学年の方を見まわしてください。

必ず「留年した人」が周囲にいるはずです。

 

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なんなら学部内で噂になっている人もいます。あいつ何年も1年生やってるんだけど大丈夫か、いつもぼっちで過ごしてるけどどうやって単位取るつもりなのか、いつも最前列で寝ているけど勉強する気あるのか…など…

 

不思議ですよね…最前列にいるのになんで留年するんだろうと思うのですが…大学の勉強というのは力ごなしより、協力プレイという部分が大きいので、くそまじめに勉強しているだけではだめなのでしょう。

 

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やっぱり留年した人、特に何回も留年した人というのは、学部内でもネタにされます。そして「あいつちょっとやばいんじゃないか」という共通認識が生まれ、あまり皆好んで近寄らなくなります。本人の性格にもよりますが。だいたいの人が学校の中で浮いていきますし、なじめなくなります。

 

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とはいえ、薬学部の留年学生はものすごく多いです。私の出身大学にもごろごろいました。最終学年になってくるともはやだれが現役でだれが留年だかわけがわからない状態になっていました。年齢なんてもはやわかりません。確実に20代じゃない人も平然と混ざっていましたからね。

 

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薬学部とはそれほど厳しく、進級が難しく、卒業も困難な学部なのです。勉強しない者にはとことん厳しい世界です。成果を出さないことには前に進むことさえ許されません。

メンタルの強さも大切です。簡単に屈してしまうような者は留年してしまいます。どうにか卒業しないと薬剤師になれないわけだから、みんな必死です。適当な気持ちでだらだらと勉強しているだけでは、よっぽど要領がよくないと卒業するのは難しいでしょう。

 

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 薬学部の留年とは決して珍しいことではありません。テストに何回も落ちて単位を取り逃がしてしまったり、出席回数が足りなくて教授に見放されてしまったり…いろんな理由で薬学部を留年せざるをえない人はいます。

 

 あと実習のトラブルで精神的に病んでしまい、学校に来れなくなってしまった人も多数知っています。実習前から人格的に問題があった人のようですが、案の定実習でトラブルを起こし、実習先も頭をかかえてしまったそうです。

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まあ人生長いので、1年や2年留年したところで大した影響はないでしょう。

 

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金銭面はどうする?

問題はお金の心配なのではないでしょうか?特に都心の私立大学に通っている下宿生なんかそうでしょう。私立大学の薬学部の学費の高さは目を見張るものがあります。1年に200万です。たまげるほど高いです。卒業までに最低1200万円です。

 

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そのほかもろもろの費用を合わせると計算したくもない金額になります。あなたが薬剤師になるために、親御さんは1200万円以上の投資をしているのです。とんでもないことですね。

 

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 国公立大学に通う人ならそこまで学費の心配はありませんが、問題は私立大学の人…親が「留年しても構わない」というスタンスならノープロブレムなのですが、「留年?!冗談じゃない!!学費がこれ以上かかるなんてうちはもう持たないわよ!!」みたいなご家庭だったらもう大変です。

 

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いまどき、余裕で私立大学に子供を行かせられるほど裕福な家庭ってそんなに多くはないでしょう。ほとんどの家庭が、何かしらを削りながら学費をねん出しているはずです。

子供が思う以上に親は苦労して学費を出しています。立派な薬剤師になってほしいのです。

 

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 経済面が心配であれば休学を視野に入れるのも一つの手かと思います。ただ「勉強する」という習慣から離れてしまった生活を送ると、勉強づくめの薬学部を乗り切ることはこれまで以上に困難かと思います。四の五の言ってられません。とにかく薬学部は、勉強しなきゃいけない学部なのです。

 

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 留年にもいろいろな理由があるかと思いますが、もし学力面での問題で留年したというのであれば、厳しい言い方ですがそれは「勉強不足」です。

もちろんバイトなどで忙しくて勉強する時間が十分に取れなかった…などの言い分はあるでしょうけれども、ならば薬学部を選んだ時点でそれは覚悟しなければならなかったことです。

 

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よほど要領のいい人じゃない限り、勉強しないと薬学部は進級できません。これは本当に断言できます。ほかの学部のように遊びほうけていると絶対に卒業できません。リアルを充実させたいとか寝言を言っているようでは絶対に無理です。

 

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高校までのようにただ在学してたら卒業までお膳立てしてもらえるわけではありません。時にはハイエナのように卑しく飛びかからないとなりません。椅子取りゲームに勝たないとならない。甘えてたら人生つみます。

 

留学もあり

金銭的に余裕があるのであれば、心機一転、「留学」にトライしてみるのもありです。社会人になると意外に時間が取れなくて、海外旅行も留学も行きづらくなってしまうんですよね…

 

大学時代は本当に自由がきく期間です。もし留学したいという願望があるなら在学中に実現させるのをおすすめします。学生の身分を存分に利用しましょう。

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 もう留年してしまったしやることないし時間持て余してるし…スマホのソシャゲで時間をつぶすくらいなら、短期留学にでも行って語学力を磨いてくる方がよっぽど有意義でしょう。いまどき薬剤師でも英語が使えて当たり前です。将来的に製薬会社に就職したいなら、英語力はなおさら必要ですしね。

 

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 英語力を鍛えるいい機会と思って、一度薬学部から離れて語学留学してみるのも面白いかもしれません。薬学部と違う広い世界を知るいいきっかけになりますし、そこで学んだことは就活などでの「話すネタ」にもなります。学生時代にしかできない貴重な経験ですよ。

 

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 最近は「ハワイで短期留学」というサービスも出ているようです。もしお金にある程度余裕があって、暇で暇で仕方ない…勉強もいまいち気が進まない…ていうか薬学部飽き飽きしてきた…という人は、語学留学に目を向けてみてもいいかもしれませんね。「時間が有り余っている」というのは学生時代の特権ですから。

 ↑上記リンクからハワイ留学コースを申し込み可能!

 

留年してしまったものは仕方ありません。いくら悔いたところで時間は戻りませんし単位もくれません。薬学部は進級に厳しい学部です。私立大学だとよりその傾向は強まります。壁を乗り越えられなかった経験は悔しいでしょうけれど、前向きに受け止めましょう。起きたことを悔やんでも仕方がないのです。

 

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大学やめたい。そう思うこともある

そもそも薬学部はしんどいです。ほかの学部と比べて決定的に違うのは、6年通わなければ卒業できないってことです。4年かけて卒業すれば学士として判定されますが、薬学部の場合6年通わないと、最終学歴は高卒になってしまいます。こんなにがんばって通学しているにもかかわらず、ドロップアウトしたら高卒…嫌すぎます。それなら最初から高卒で働くわってなります。

 

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 勉強が好きで、地道な努力ができて、次々とふりかかる嫌なことに耐えられる人。それが薬剤師になれる人です。端的にいえばマゾです。つらいことを耐え抜ける人じゃないとやっていけません。それができない人は大学やめたいと思っても仕方ありません。ちょっとクレイジーじゃないとやっていけない世界ですから。

留年すると心がくじける。正気でいられる人は決して多数じゃないと思います。何がつらいかというと、同級生がどんどん先に行っていき、自分はどんどん取り残されていくことです。友達が減っていく。顔見知りが消えていく。つらい限りです。この世界で生き残っていくには、孤独に耐えなければならない。

 

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 大学やめたい気持ちはわかります。しかし、一番大事なのは、相談できる人がいることです。ほかの人に、学内カウンセリングでもいいから、自分の大変なこと、困っていることを吐き出せないでしょうか。思い切った行動に出る前に、自分以外の人の意見を聞いてみるのは大事です。

やめることはいつでもできます。孤独できついのはわかりますが、決断する前に相談して、他人の声を取り入れることは大切です。

 

 

中退はあまりおすすめしない。やるなら転学・転部

薬学部を辞めて「高卒」に戻るという選択もありっちゃありですが、個人的にはあまりおすすめしません。なぜって、現代はまだまだ「学歴主義」だからです。

 

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やはり何を言っても「大卒」のブランドは効果があります。どんだけバカな大学を出ていようと卒業さえすれば「大卒」と扱ってくれるのですから、日本は甘い国です。欧米の大学はもっと厳しいそうですが、日本の大学は遊んでいても卒業できますからね。これほど簡単に「大卒」を名乗れる国もそうそうないと思います。

 

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そして、「大卒」じゃないとなれない仕事は多々あります。「低学歴でも稼げる」職業として筆頭に挙げたいMRだって、「大卒」は最低条件です。どれだけコミュ力があろうとやる気があろうと、高卒の人は募集要項に入りません。書類でポイです。

 

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 社会人になれば学歴なんて関係ない…と言いたいところですが、実際はそんなことありません。学歴で評価されることなんて山のようにありますし「○○大学のくせに頭悪いね」とか「高卒?いまどき?」みたいなことを平気で言う人はたくさんいます。要は学歴偏重主義なのです。この日本で暮らす以上、学歴について言及されることは避けられません。

 

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そして、それが個人的な嫌味程度なら聞き流せるのですが「就職」「転職」面でも影響してくるのがしんどいところです。まだ学生のみなさんには実感がわかないかもしれませんが「6年制の大学卒業の薬剤師」と「高卒」では天と地ほどの差があります。本当に。月とすっぽんです。どんだけバカ大学卒業でだろうと「薬剤師」は強いブランドなのです。

 

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 「あいつ○○薬科大卒のくせにエラそうにしやがって」とか言う人がいるかもしれません。しかし腐っても鯛、バカ大学でも薬剤師です。国家試験を潜り抜けた猛者です。ちゃんと薬学部を卒業した人間です。

 

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残念ながら、そういう人間と「高卒」では比較になりません。仕事の幅も種類も内容も給料も社会的地位も全く違います。高卒を貶めたいわけではありませんが、「薬剤師」から「高卒」になるというのはそれほどギャップの大きいことなのです。

 

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 ですので、将来的な進路を考えても「中退」はあまりおすすめしません。多少粘ってもがんばって薬学部を卒業して、薬剤師免許を取ったほうが、長い目で見たら絶対メリットは大きいです。

 

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「奨学金制の薬局・病院」を見つけて、将来就職の約束をしたうえで勉強するというのもいいでしょう。とにかく、勉強する意欲が残っているのであれば、薬学部からリタイアしないほうがいいです。

奨学金返済サポートのある病院・薬局|ファーネット|薬学生のための就活サイト

 

 

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ど~~~~~~しても薬学部がしんどい、肌に合わない、もう本当に無理、と思うなら、転学なり転部なりを考えましょう。あまりにも勉強ができない、自分には向いていない、薬剤師にはなれっこない…そう思うのであれば、せめて別の大学・学部で「大卒」になることを考えましょう。大卒でさえあれば、就職の範囲はぐっと広がりますからね。

 

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 どの学部・大学を選ぶかは自由です。理系自体が無理なら文系学部を選んだ方がスムーズでしょうし、薬学がダメでも理系には抵抗が無いなら、理学部とか農学部とか工学部とか選択肢があります。

 

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また、「うちの大学の薬学部はハードルが高すぎる」と感じるなら、別の大学の薬学部に行くのもありです……結局最後は同じ「薬剤師国家試験」を受けるので、ゴールは一緒なんですけどね…

 

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 とにかく言っておきたいのは「薬学部は留年も多く進級が厳しいしんどい学部」であるということ、「留年してもその事実を受け入れ、未来に向かって建設的に動くべき」であること、「どうしてもしんどければ転学や転部もある、だけど『高卒』になるのは個人的にはおすすめしない」ということです。

 

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6年制薬学部を卒業すると「6年制学士」という扱いになります。学士、という響きですが、実際には修士と同じ扱いを受けます。学士→修士→博士ですから、普通の4年制大学を卒業した学生よりもグレードが上ってことですね。

 

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 もちろん就職できる範囲も「高卒」とはけた違いです。製薬会社の研究職・開発職を狙うのであれば、少なくとも「6年制学士」以上じゃないとお話になりません。高卒なんて論外です。

 

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 留年して目の前が暗くなっている方は、今一度現実を見つめ直して、「薬学部で頑張り続けるか、そうじゃない道を選ぶか」真剣に考えてみてください。薬学部にいる限り、勉強する日々からは逃れられません。しかし卒業さえすれば、国家試験に合格さえすれば、薬剤師免許という盾はあなたを生涯守ってくれます。

 

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 一概には言えませんが、薬剤師になることをあきらめるのはもったいないと個人的には思います。

留年した薬学部の学生さんは、自分の人生について、ゆっくりと考え直してみてください。