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薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

社会人からでも薬学部に入り、薬剤師免許を取得できる!ただし大変です

進学

先日、製薬会社時代の知人から連絡が入りました。

今年の春から薬学部に入学し、大学生として薬学を学ぶことにしたそうです。

彼は製薬会社にいたころから薬剤師に興味を持っていました。

ある大学の工学部を卒業し、MRとして営業活動に携わっていましたが、医師や薬剤師などの医療従事者と携わるうちに「さらに専門的な知識を磨きたい」と思うようになり、いつしか薬学部を目指すまでになりました。

彼のような、社会人になってから薬学部に入る人は結構います。

元社会人の薬学部生は結構いる

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私が卒業した大学の薬学部にも、元社会人の学生さんはいました。

多くはありませんが、だいたい50人に1人くらいはそうだったかもしれません。

 

経歴はばらばらです。

高校卒業後、フリーターとして働いていて、大学に入りたいと思いバイトでお金を貯めて進学…という人もいました。

全く関係ない学部を卒業し、社会人として働いていましたが、薬剤師にメリットを感じ、薬学部に入りなおすことを決意した人もいます。

 

なんにせよ、センター試験を乗り越え、二次試験を乗り越え、現役学生の若さにも負けずに薬学部に乗り込んできた人たちです。

彼らのタフさと、学びへの意欲は並大抵ではありませんでした。

 

20代後半で薬学部に入りなおすというのは、大変なことです。

18歳ならなんとかこなせる勉強量も、25歳以降には結構きついです。

認めたくないものですが、人間歳をとると、体力も記憶力も落ちていきます。

楽をすることばかり考えます。

若いころのように愚直に勉強を続けるようなエネルギーがなくなってしまいます。

 

彼らは働いて貯めたお金を使い、予備校に通い、気が遠くなるような勉強を積み重ね、決して偏差値が低くはない薬学部に入学することができました。

 

社会人になってからでも、薬学部に入ることはできます。

薬剤師の免許を取るための勉強をすることはできます。

本人に強い意思があれば、それは可能です。

 

6年間。耐えられる?

ただし、現実問題、しんどいです。

体力的にも精神的にも経済的にも、薬学部を卒業するには大きなリスクを伴います。

これはわたしの知人の話ですが、彼は薬学部OSCEで不合格となりました。

理由は「老眼で調剤行為がうまくできなかった」ためです。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

認めたくありませんが人は老いますし、できなくなることが増えます。

若いころはできていたことが、歳をとると難しくなります。

そんななか、6年間も厳しい薬学部生活に身を投じ、薬剤師免許の取得を目指す価値は本当にあるのか。

そう思うと、薬学部を選ぶこと自体、考え直すべきことなのでは、と思ったりもします。

 

 

薬学部、決して楽ではありませんので。

30歳で薬学部に入っても、卒業するころには36歳。

最低でも6年間を勉強に費やします。

さて、そこまでの挑戦をする覚悟が、どれだけの人にあるのでしょうか。わたしは安易に薬学部を選ぶのはやめといたほうがいいと思います。薬学部って、理由不明の失踪者がたまにいますので。「もう勉強いやだ!」ってなっちゃうんでしょうね。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

薬学部に入って、卒業して、そのまま行方知れずになった人もいます。(国家試験には合格していません)

やはり、ある程度のタフネスが求められます。若いうちでもしんどいのに、年を重ねてからの勉強漬けの生活は、脳も体もついていけなくなります。

 

国家試験クリアまでが…つらい

ただし、入学はできたとしても、国家試験合格まで、学生生活をやり抜くことができるかというと、話は別です。

昔の記事でもお伝えしましたが、薬学部生活はきついです。休みは短いし、講義は多いし、テストは難しい。いつも進級の危機におびえながら暮らす毎日です。

実験して研究データも出さなければならない。ブラック研究室につかまってしまったら最後、学生人生が激務に塗りつぶされます。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

学生生活で何度も訪れる理不尽や厳しい課題を、「20歳前後ではない気力や体力」で乗り切るというのは、理屈ではない大変さを伴います。

 

事実、私の大学の薬学部に在学していた元社会人も、いつの間にか登校しなくなった人が何人かいます。

 

国家試験までこぎつけても、何度受験しても受かることができず、結局「薬学部卒業」の肩書だけ身に着けて、薬剤師とは全く関係ない職場でアルバイトとして働いている……なんていう泣くに泣けない結末を迎えてしまった人もいます。

 

基本的に薬学部は、入学こそ(学校の偏差値を選ばなければ)楽ですが、卒業はどこの大学も大変です。

とくに入学時点で楽をしてしまったら、その取返しに膨大な時間と労力を費やさなければなりません。

 

「社会人でも薬学部に入ることはできる」これは事実ですが「卒業して薬剤師になる」これはその何倍も大変なことだということは心得ておいてください。

 

若い20代前半ですら大変だったことですから、20代後半でそれに挑戦するのは、並大抵の気力体力では乗り越えられません。

 

薬学部入学に興味がある社会人の方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。ただし、ちゃんと卒業して、薬剤師免許を取得するまで、エネルギー切れを起こさないように気を付けてください。