薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【就職】薬剤師は暇そう?忙しい?調剤薬局より病院が激務?【ブラック】

薬剤師はなぜか「暇そう」というイメージを持たれる職業です。

調剤室の奥で引きこもっている印象があるからでしょうか。

あまり人目に触れない職業と言うのもあって、「あまり忙しくない」「楽に稼げそう」などという漠然としたイメージを持たれることがあります。

私も知人の学生から「薬剤師は楽して稼げる職業のように思えるから薬学部への進学を考えている」と相談されたことがあります。

しかし、実際は異なります。

薬剤師は忙しい

昔の調剤室の奥からそっと薬を渡すだけの薬剤師ならともかく、最近の薬剤師はかかりつけ薬剤師だの在宅医療などで役割が広がってきています。少子高齢化の日本においては、医療職の存在はどんどん求められるようになってきます。かつては薬剤師も「免許を薬局の玄関にかざしてあとはお茶を飲みながら患者さんが来るのを待つ…」のようなのどかな時代があったかもしれませんが、少なくとも今はそうではありません。

 

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とくに調剤薬局やドラッグストア、製薬企業ではM&Aが活発なので、いつ自分の勤務している企業が消えてしまうかわかりません。リストラも決して無関係ではないので、薬剤師は危機感を持って働いています。次世代に生き残っていける薬剤師になるために、知識とスキルの研鑽に励んでいます。決して暇でダラダラと過ごしているわけにはいかないのです。

 

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 とくに製薬会社の営業、MRは生き残りの戦いが激しいです。先日も知り合いの外資系MRがリストラされてしまいました。営業成績が良くなかったことが原因だそうです…大事なのは会社の維持、発展のための力を発揮できるかどうか…特に外資系製薬会社はそのへん非常に厳しいです。

 

病院薬剤師は激務なわりに年収が低い

薬剤師は基本的に「稼げる」仕事ではありません。「お金持ちになれる仕事」「医師に並ぶ収入が得られる仕事」という誤解を抱いているならば、すぐにそれは取り払ってください。

人並みの給料しかもらえません。6年も必死で勉強して国家試験もクリアしたのに、下手すればそのへんのサラリーマンよりも低い給料でこき使われる場合もあります。これを「コスパが悪い」と感じる人もいるでしょう。私立大学を卒業した場合は、6年間で最低1200万円を投資するので、特にコスパについて考えざるを得ません。

 

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MRやドラッグストアはほかの業種と比較すると高年収ではありますが、その代わりそれなりに激務ではあります。

 

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 ですので、長年勤め続ける薬剤師と言うのは決して多くはありません。私の知人でドラッグストアやMRになった薬剤師は、だいたい3~4年後にはもれなく薬局薬剤師になったり公務員薬剤師になったりしました。「お金を稼げる場所」と割り切って身を粉にして働く生活もありですが、あまりにも長年続けていると心身を病んでしまう可能性もあります。

 

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もちろんタフな人であればその業界で生き残っていけます。しかし多くの薬剤師は、製薬会社やドラッグストア業界の多忙さ、人手不足に疲れてほかの世界に移っていくものです。お金の代わりに身を削ってもいい、と思う方はドラッグストアや製薬会社に身を投じてみるのもいいでしょう。

MRの給料の良さはばつぐんなので、コミュニケーション能力に自信のある方は挑戦してみるといいでしょう。本当に稼げますよ。転勤とかノルマとかあるけど。

 

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問題は「病院薬剤師」です…これはもう、「お金は少ない」「仕事は多い」「休みは少ない」「病院内ヒエラルキーの低さに泣ける」とマイナス要素てんこもりです。ハッキリ言って、病院薬剤師が長く務まる人は相当なタフネスのある人か、世間知らずか、お金に関心がない人でしょう。

 

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 私も「激務」「薄給」「人間関係の悪さ」のトリプルパンチを食らって、早々に病院薬剤師の世界から足を洗うはめになってしまいました。これはひとえに覚悟が足りなかったのです。病院薬剤師をやるには覚悟が必要です。病院薬剤師はなまやさしい世界ではありません。給料は飛びぬけて安いし、拘束時間は長いし、なにより「当直」があるのがきつかった。

 

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 深夜から早朝の勤務?!しかも一人で?!無理!!!と感じるような人には病院薬剤師は向いていません。あのひやひや感を何回も味わうのは精神的に大きなストレスです。数をこなせば慣れてきますが…加齢とともに当直の体力的なしんどさも加わってきます。

 

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病院薬剤師はとかく忙しいイメージがありますが、特に急性期病院や大学病院などの大規模な病院がそうですね。大学病院だと、博士課程中の薬剤師もいるので、日中は普通の病院薬剤師として働きながら、夜は研究室で実験をする……という人も多くいます。私からするとそのスタミナはどこから出てくるんだと不思議でなりませんが、そういう人たちのデスクには決まってレッドブルなどのエナジードリンクが大量に置いてあるので、まあ楽をしているわけじゃないのは確かです。

 

 

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「薬剤師は暇」そんなイメージはもはや昔のことであり、今や薬剤師はせっせこせっせこ多くの業界に顔を出し足を運び、医療職としての存在を発揮しています。特にこの一番厳しい病院薬剤師の世界においては「お金をもらって勉強させていただいている=だから激務で薄給でも文句言うなよ」という雰囲気がまかり通っています。

ホワイトな環境でのんびり働きたいのなら、病院薬剤師はおすすめしません。お金が欲しいならなおさらです。ついでに人間関係も微妙。女性薬剤師すっげー怖かった。もうほんと怖い。

 

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調剤薬局より他の業界の薬剤師の方が激務?

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これは店舗にもよります。調剤薬局でも激務のところはあります。私の知る薬剤師は、朝の9時から夜の12時まで拘束され、さらに退勤後に薬局長からガミガミと電話で叱られたこともあるそうです。調剤薬局は近隣のクリニックの都合に左右されるので、どうしても閉局時間を延ばさなければならない事情があるんですよね。

 

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 しかし、別の薬剤師の話では、「忙しいのは午前だけ。午後の時間はたまった薬歴をさばきながら、残業は一時間程度して、終了。午前は大変だけど、ここを乗り切れば後は楽だし早く帰れるからまだ楽なほう」と言っていました。

私の勤務する調剤薬局もそのケースです。残業することはほとんどありません。薬局チェーンや薬局長の方針によって、残業させるかさせないかは変わるのかもしれません。とにかく定時で帰りたい人は、夜遅くまで開いているクリニックが近くにないかなどを調べておくといいかもしれません。

 

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 人生で何を重要視するかは人によります。「お金」かもしれないし「時間」かもしれないし「趣味」かもしれません。

それは人それぞれ違いますし、自分の求めるものにあった職場環境を選ぶべきだと思います。遅くまで働くのが大嫌いな人がMRやドラッグストア薬剤師に就職すると大変ですからね…この点は就職活動の際にしっかりと自己分析しておくべきでしょう。

 

 

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「薬剤師は暇そう」というイメージに対する答えですが、それは「イメージ」にすぎず、いまやどの業界でも結構大変、ということです。調剤薬局はまだ店舗によっては余裕があるかもしれませんが、人手不足と高齢化が進んだ地方では真剣に薬剤師が足りない!と悲鳴が上がっている場合があります。というか、そもそも「楽して稼げる」仕事なんてありません。そんな甘い仕事があったらみんなそこに就職しているわけです。

 

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さすがにSE関係のようにデスマーチがあったり、広告代理店のようなスーパー激務企業だったりは少ないかもしれませんが、どの業界の薬剤師も、大変です。命に係わるくすりを取り扱う職業である以上、軽い気持ちで仕事はできません。倫理観も人一倍求められます。

 

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病院薬剤師は激務

経験的に言いますが、病院薬剤師、それも急性期の大病院となると、本当に激務です……わたしが経験した病院は人間関係も悪かったので、薬剤師内でもぐっちゃぐちゃでしたし、他職種とのいがみ合いも異常にありました。たまに来るMRさんに癒されたりもしました。やはり「病院」という閉鎖された世界に医者、看護師、薬剤師、その他コメディカルいろいろ詰まっていると、うまくいくことは少ないんですよね…変な派閥ができて、あいつは〇〇派、俺は××派、おまえはどっちに入るんだ?!とか飲み会で尋問されたりして、最悪です。またせせこましいことで争っているんですよね…次期薬剤部長はAとBのどちらになるだろう、どちらにゴマすっておけば今後の立ち回りが有利になるだろう……と、そんなどす黒い話を結構聞かされました。

 

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病院に限らず製薬会社でもほかの企業でもそうですけど、人が集まると争いが発生しますね。

それに男の嫉妬は怖い。女の嫉妬はせいぜい陰口やいやみ、いじめで済みますけど、男の嫉妬は本気で相手を社会的に抹殺しようとしますからね…

 

 

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そういう環境に浸かっていると、激務であることも手伝って、わたしは病んでいきました。

 

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 仕事でへとへとに疲れているはずなのに、眠ることができなくなり、おなかはぺこぺこのはずなのに、何も喉を通らなくなりました。ひどいときはアクエリアスやウイダーインゼリーでカロリーを稼いで一日を凌いでしました。もうあれはひどかった。一刻も早く逃げ出さないと命が危ない領域でした。仕事を休むとかそういう次元を超えて、もう頭がおかしくなりそうでした。無茶したらいけないんです、続きません。

 

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このように、良く考えずに病院薬剤師、それも急性期の忙しい病院に転職したりすると、身を亡ぼすもとになるのです。よく「今の職場が嫌なのならさっさと転職しようよ。そしたら少なくとも今の職場よりはいいかもよ」と聞きますが、そうとも限りません。わたしはMRにうんざりして勢いで病院薬剤師に転職しましたが、病院の独特の世界の気持ち悪さにどうにも耐えられずに、一年で引き返してしまいました。今思えば、もっと自分に合う病院を慎重に探すべきだったんだと思います。あのころはいくら仕事から逃げたかったとは言え、安易に選びすぎた。

 

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いわゆる「病院薬剤師ってかっこいい」という謎のイメージにとらわれすぎていた。もっと現実を直視するべきでした。

 

 

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MRから病院薬剤師になって、お給料はびっくりするほど下がりました。労働時間は変わらないのに、むしろ当直も加わって余計きつくなっているのに、給料が10万下がるなんてどういうことだ、今後どうやって暮らしていけばいいのだ…と唖然としました。

 

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 最初の就職先として「知識をつけたい」「最先端の医療を学びたい」「化学療法を知りたい」「専門薬剤師になりたい」「病棟業務をやってみたい」「医師・看護師・コメディカルとかかわりながら仕事をしてみたい」……などの動機で病院薬剤師になるは大いにありだと思います。

体力を使う激務の病院薬剤師は、若い20代のうちに経験しておいた方が得策です。ただし、その裏には「激務」「薄給」「人間関係が複雑」などの喜ばしくない事情も潜んでいることを念頭に置いておいてください。

6年制病院薬剤師、ふざけるなと言いたいくらい給料が安いです。かといって、むやみに高いところを選ぶのも要注意です。ひとり薬剤師をさせられて地獄のブラック激務に放り込まれる可能性が極めて高いからです。

 

 

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自分が何を大事にしたいか、よく考えて就職を

たとえば「地元で働きたい」「ワークライフバランスを重視したい」なら、調剤薬局薬剤師がおすすめでしょう。

 

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 「医療を学びたい」「臨床に携わりたい」「ほかの医療職種ともかかわりたい」と思うのならば病院薬剤師でしょう。

「一般医薬品も学びたい」「お金を稼ぎたい」「調剤もしながらほかの業務もできる」のであればドラッグストア薬剤師がおすすめでしょう。

「お金を稼ぎたい」「薬をつくる裏側を知りたい」「コミュニケーション能力に自信がある」のであれば製薬会社のMRがおすすめでしょう。また、「研究力を活かしたい」「新薬開発に携わりたい」などの想いがあるのであれば、製薬会社の研究開発職への挑戦もありです。非常に狭き門ですが…

 

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 要は、長く続く社会人人生の中で、「何をもっとも優先したいか」を明確にしておくことが大事です。これを学生時代のうちから考えておくと、就職活動がぐっと楽になります。みんなが病院薬剤師になってるから私も病院薬剤師に……先輩がドラッグストアは稼げるって言ってたから僕もドラッグストアに……といったふわっとした動機ではなく、「自分の人生において何を優先順位の最上位に置くか。そして、それを実現できる職場はどこなのか」を常に見定めていてください。

少なくとも、「ワークライフバランス」なんて言葉は、ドラッグストア、MR、病院薬剤師にはありません。

 

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就職してから「こんなはずじゃなかった…!」と悔んだりしないように、学生の今のうちから入念に業界研究を行って、自分に合っていそうな職場選びを行いましょう。そして、就職に失敗したからと言って落ち込むことなく、どんどん次々行きましょう。薬剤師は資格職なので、職場には困りません。

 

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 さんざん「薬剤師は忙しい」と言いましたが、そんなの他の職業でも同じです。むしろ薬剤師はつぶしが効くので他よりずっと恵まれている職業です。

今いる場所が気に入らなければ、さっさと移動してしまえばいいのです。奴隷じゃないんだから、気に入らないのなら逃げればいいだけです。

自分の人生に最適と思える職場を見つけてください。 

 

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