薬剤師のメソッド

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【新人】病院薬剤師だったけどブラック環境とパワハラで病みまくった【転職】

病院薬剤師として約1年働いていました。

製薬会社を辞め、薬剤師として初めての転職です。

地元に近い地方の急性期病院で、それなりの知名度もある病院です。

製薬会社での労働環境や人間関係に不満を覚え、「一念発起して薬剤師としてのキャリアを積みたい」と思うようになった私のチャレンジでした。

しかし、そんな病院薬剤師生活も長くは続きませんでした。

労働環境がブラックだったのです。

病院薬剤師は噂通りブラックだった

就職前から友人知人には「病院薬剤師は過酷だから長続きしないよ」と言われていました。

私も正直長く働くつもりで病院へ転職したわけではありませんでした。

 きわめて軽い気持ちだった。それは否めません。

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とにかく「病院勤務」という経歴を身に着けたい。動機はその程度でしたので、病院にしがみついて何が何でも何年も働く、というような強い決意は一切ありませんでした。

 

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しかし、やはり噂通りのブラックでした。病院薬剤師。

早朝から出勤、宿直の恐怖、一日中走り回る体力の消耗、扱う薬剤が薬剤なだけに一瞬たりとも気が抜けないこと、ほかの医療職種とのコミュニケーションに摩擦が多いこと、朝から深夜まで勉強、家に持ち帰って自習、「医療職なんだから『働くのがつらい』なんて冗談でしょ」と言わんばかりのパワハラ空気…

 ひかえめに言って地獄でした。

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患者様の健康のためならなんだってできるでしょう?医療職なら自分のことより患者のことでしょう?やりがいがある仕事なのだから報酬を求めることなんて傲慢じゃないか?

 

 医療の名目であれば、人間が酷使されてもいいのでしょうか?そこに働くものとしての権利は存在しないのでしょうか?

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 最初こそ理想はあった

最初からボロボロだったわけではなく、本当は夢も理想もありました。ばりばりスキルを習得して薬剤師としてのレベルを高めて、現場から信頼されるプロになりたいというイメージはありました。

しかし、体が壊れては夢も希望も語れないじゃないですか?

時間がたつにつれ不満はたまり、そもそもこの環境が自分にはフィットしないと確信しました。

 

身も心も尽くせ。医療に従事するものとして、文句を言うな。いやなら出ていけ。

そのような空気が蔓延していました。独特の閉鎖的な空気になじめなかった私は、転職早々体を壊しました。

 

何が正しいかわからなくなる

人間が人間の形をたもつには適度な休息が必要なはずなのに医療者がそれを求めるのは何故か怠慢と言われる。薬剤師は人じゃないのでしょうか。ロボットと思われているんでしょうか。

 

人間無理をして続くもんじゃありません。狂った環境の中で自分を騙しながら働いていても、体は正直にギブアップのサインを出します。

薬剤師だろうと無理なものは無理。

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やはり病院のような閉鎖的な空間は外部からの刺激がないので、人間性がどんどんブラックに傾いてしまうんでしょうね。一部の声が大きな人、タフすぎる人たちの意見がどんどん採用されてしまった結果、彼らが住みよい世界に作り替えられてしまった=末端の人間が苦労する構図になったといえます。

 

 

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そういった環境で働いていると、最初は正常なつもりでもだんだん心身に異常が出てきます。そして恐ろしいのは、その異常には自分で気づけなくなることです。

 

 

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これは過去に私が経験した症状ですが、これらが出てくると「ああ、自分はかなり不調だな。病院に行くか(職場が病院です。笑えない)、休みをとるか、業務を減らすか、退職を考えるべきだ」という考えにシフトチェンジしたほうがいいかもしれません。

 

 

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特に一人暮らしですと、考え方がどんどんおかしくなっていくので。ご注意ください。

 

思考能力がなくなる

一番わかりやすいのは「思考能力の低下」じゃないでしょうか。誰しも頭の中で何かを考えて、その「声」が聴こえてくるでしょう。いわゆるモノローグですね。

これがなくなります。何も考えられなくなります。注意力も落ちます。目の前の仕事しかできなくなります。

 思考力が低下するので、「思考力が低下している」ことじたいに気づかなくなります。壊れたロボットのようになります。

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その結果、簡単なミスが増えます。少し注意すれば防げるようなごく簡単なことでも失敗を連発してしまいます。

叱責されることも増え、徐々に自信をなくしていきます。

 

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眠れなくなる

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寝床についても体が緊張状態が続き、寝付けなくなります。

寝つけても深夜に目が覚めたり、早朝覚醒したりで熟眠感を得ることが難しくなります。

 眠れないのでぎりぎりまでベッドにいて、慌てて出勤するから身だしなみが適当になってしまったり…

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そもそも激務ですと単純に睡眠時間が減ってつらいのに、さらに睡眠の質が落ちてしまうのですから、寝てもさっぱり疲れが取れません。

ひどくなると「寝る前より起きるときのほうがつらい」状態になります。

 

 

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人間にとって睡眠は本当に大事です。

常に7時間前後はキープしましょう。健全な体と心を持つには睡眠は本当に最重要項目です。眠りの質が悪くなっている自覚があるならば、心療内科へ受診することもおすすめします。

 

 自分は無関係と思っていても、意外と簡単に病むんですよね。人間って…

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食べられなくなる

食事を「面倒くさい」「食べたいと思わない」状態になります。食べることがとても好きだった人でも「どうでもいい」「食べたくならない」「食欲が出ない」「食べても味が全然しない」このような状態になります。

 

 

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睡眠の質が下がることも非常に大きな苦痛ですが、食事に楽しみを見いだせないのも本当につらいです。何を食べても砂のような味がする。これは本当につらいです。それだけ食事が苦痛なのに、生きていくためには何かを食べなければならないのですから…

 

 

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また吐き気や胃の痛みによって消化吸収機能が低下してしまうこともあります。無理をして食べてもすぐに戻してしまったり、下痢や便秘に悩まされることもあります。

 体から出ているシグナルに迅速に気づくこと。これは重要です。

 

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好きなことへの興味が無くなる

趣味をやろうと思わなくなります。スポーツや旅行などの趣味がある方でも、疲れ果てて心身のエネルギーがなくなってしまえば、好きなことへの興味を失ってしまいます。何をやっても心のときめきのようなものが失われてしまい、何をやっても楽しみよりもむなしさが勝ってしまいます。

 

 

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このような精神状態に陥ると本当につらいです。「自分はなんのために生きているんだろう」という、考えても仕方のないようなことを考えるようになってしまいます。

 

 

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おいしいものを食べて「おいしい」と感じたり、お風呂に入って「気持ちいい」と感じたり、人と話して「楽しい」と感じたり、人が生きる理由などその程度でいいんじゃないでしょうか。

 

 

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問題は、これらのことすべてに「おいしい」「気持ちいい」「楽しい」と思えなくなった状態です。あらゆる喜び、楽しみを奪われたら、人間は精神的に追い詰められます。

 

生きていることに苦痛を感じる

「息をしているだけで苦しい」状態に陥ります。何もしていないのに悲しい気分になり、わけもないのに涙が出てきます。職場にいると胸が苦しくなり、パニック発作に苦しめられ、自分が生きていることがとても罪深い、許されてはならないことだと認識してしまいます。

 

 

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この状態になると、とても危険です。一刻も早く、医師の診察を受けてください。心と体が疲弊しきっているサインです。これを無視して突っ走ると、取り返しのつかないことになります。

 

 

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「自分がおかしい」ことに素早く気づけるように

上記の症状が2週間以上続いていて「消えてしまいたい」「自分なんかいなくなればいいのに」といった思いを常に抱えている、憂鬱でとても苦しい……このような状態に陥っている方は、うつ病と診断されるでしょう。医師の診察を受けてください。そして適切な治療を受けてください。

 

 

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心の病気のつらいところは、「自分ががんばればどうにかなる」という思い込みで体のサインを無視してしまいがちなところです。体は心が力尽きるより早く、あなたにサインを出してくれます。「これ以上がんばると危険だ」と、食事や睡眠などの形であなたに限界を伝えてくれます。

 

病院に行く暇がない…(これは病院薬剤師ならではの自虐ネタです)方は、睡眠や食事、生活スタイルを見直しましょう。偏った食事やすくない睡眠では、当然心身は不調をきたします。不調を訴えるシグナルが出ます。

 

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どうかそのサインを無視しないで下さい。「うつは甘え」なんて思わないでください。メンタルの病気を軽視しないでください。自分から発信されている危機信号をどうか見逃さないでください。

 

そして、これらのサインを身近な人が発しているのに気づいたら、さりげなく、しかし真摯に、医師の診察を勧めてあげてください。

 

 

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危機信号が出ている人というのは基本的に思考能力が低下しているので、自分で病院に行ったり、治療を受けたりするべきなのか、そもそも決断・判断できる状態にいない場合もあります。

家族や友人、同僚など、まわりに明らかに苦しんでいる人がいて、異常信号が出ているようであれば、気を使ってあげて下さい。

 

 人は思ったより簡単に病みます。そしてそれを自覚するのはとても遅い。早期発見早期治療に越したことはありません。

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うつ病は甘えではありません。身体症状も精神症状も伴う、立派な病気です。

 

寒気がしたり咳が出れば風邪薬を飲むでしょう。

熱が出れば内科に行くでしょうし、扁桃腺が痛いなら耳鼻科に行くでしょう。

同じように、「食欲がない」「眠れない」「好きだったことに興味が出ない」このような症状が出たなら、心療内科ないし精神科に行けばいいのです。

 

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転職もひとつの手段

今の仕事でやりがいがない、疲れる、勉強する時間がない、生活できない…そんなことを思うのであれば、仕事を変えてみることもひとつの手段だと思います。

 

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 今の職場に縛られる必要はありません。苦しいと思えば別の場所に移動すればいいのです。ブラック環境の支配下に居続ける義務などありません。

 

わたしは疲れ切った結果、今の職場で働き続けることはできないと判断し、転職しました。

転職を決意するときはさすがにためらいましたが、結果としては悪くない判断だったと思います。

仕事に自分の健康を奪われてしまっては本末転倒ですから!

 

 ↑薬剤師の仕事ってどんなものがあるのかな?と見てみるだけでも、仕事への考え方は大きく変わります。

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メンタルヘルスへの理解がもっと広まり、「心と体の疲れは、医師に診てもらうべき症状」という認識が一般化されることを望みます。