薬剤師のメソッド

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もう少し「働くことがつらい」人が少ない世の中になればいいのに

精神系のクリニックの門前薬局で働いていると、メンタルに疾患を抱えた患者さんが多数いらっしゃいます。

疾患の種類は多々ありますし、原因も様々です。

遺伝的なものであり親から引き継いだ疾患の治療を続けながら社会人として働いている人もいます。

急な家族の不幸により強いショックを抱え、寝食もままならない状態になっている人もいます。

原因は一切わからないけれど精神面で非常に不安定な状態にあり、薬物治療を必要とする方もいます。

しかし、多くの患者さんの場合、「仕事のストレス」を原因として精神面に不調をきたしています。

 どうしてこんなにつらい思いをしながら働かなければならないのか

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「仕事」という呪いに縛られた患者さんは非常に多いです。

生活のため、職場のため、家族のため、同僚のため、上司のため、会社のため。

何のためかは人それぞれですが、仕事のために自分を殺すことは、多くの患者さんにとって、ごく当然の常識として頭に刻まれています。

 

昔から疑問なのですが、なぜここまでつらい思いをして、心療内科や精神科で「死にたい」と言いながら、それでも働く人が、こんなにも多いのでしょうか。

そして、自分を殺して働くこと、つらい思いをしながら歯を食いしばって働き続けることを「美徳」とするなんとも気持ち悪い空気が、ニッポンのワークスタイルとして無意識下に存在しているような気がしてなりません。

 

仕事は仕事でしかありません。

生活手段でしかありません。

生きていくために必要なお金を得る方法のひとつでしかありません。

私はそう思います。

 

「仕事」に心と体を壊されて、それでもゾンビのように職場に向かっていく人がなぜ絶えないのか、そしてこの状況を「社畜wwwww」と自虐する空気が漂っているのはなぜなのか。

ワタミは「ブラック企業の代表」として叩かれましたが、ワタミのようなことをして平気でまかり通っている会社など無数にあるでしょう。

 

従業員に心も体も捧げさせて、使えなくなったらポイ。

その程度の人の使い方しかできない会社は、まだ顕在化していないだけで、現代日本にはおびただしい数潜んでいるのでしょう。

 

そうじゃなければ、ここまで「働くことがつらい」と声を挙げる人が多い世の中にはならないんじゃないですか。

 

仕事に自分を壊されるな

体を壊す前というのは、自分では「無理ができる」と誤解して突っ走ってしまうものです。しかし、不調をきたしてからようやく、自分が有限な存在であることに気づかされます。そして、壊れた心身は、簡単に元には戻りません。

 

うつ病で休職した会社員というのは、復職するまで平均半年~1年半かかるとされています。なんとか復職しても、再発の可能性は低くありません。

 

うつ病の再発率は60%です。

kokoro.mhlw.go.jp

何か起きてから治そう、と思っては遅いです。

日頃からの体調管理、仕事の管理が非常に重要になってきます。

これは社員本人もそうですし、社員たちを束ねる管理職にも求められる重要な能力です。

 

職場環境は簡単には変わらないでしょう。

いくら声をあげてもあなた一人ではどうしても劣悪な環境は変わらないこともあるでしょう。

そんなとき、どうするかです。

 

身も心も擦り減らしながら仕事に時間を吸い取られて、メンタル系の疾患を発症し、再発のリスクを背負いながら過ごすか。

 

自分が「つらくない」と思える程度の負荷である部署、ないし会社、業界を選択し、自分にとって最適な環境を模索するか。

 

負荷に耐えられる心、体をつくるための自己管理を欠かさないようにするか。

 

病気を発症してからでは遅いです。

仕事はあなたの人生を壊すほど、あなたの人生で大きなものなのでしょうか。

仕事に心身を壊されかけている自覚がある方は、いまいちど、自分の状態を顧みて下さい。

 

私個人の力では何もできませんが、少しでも「働くことがつらい」と感じる人が少ない世の中になってくれないものか、と願います。