薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【就職】新人薬剤師あるある20【転職】

毎年2~3月に実施される薬剤師国家試験。

これにめでたく合格した薬学生は、それまでの「薬学生」という肩書を脱ぎ捨て「薬剤師」としてデビューします。

苦節6年(最低でも)、勉強に次ぐ勉強の生活でよれよれのぼろ雑巾のごとく消耗しながら生きてきた薬学生ですが、そんな日々もついに終わり、めでたく卒業です。

4月からあなたを待っているのは「薬剤師」という薬物治療のプロとしての生活です。

不安と期待で胸がいっぱいでしょう。

さて、「新人薬剤師」はどのように過ごしていくのがよいのでしょうか。

私は新卒MRでしたが、入社時には「薬剤師」として扱われていました。

そして病院薬剤師に転職したときも「新人薬剤師」として扱われました。

私の経験も交えながら「新人薬剤師あるある」を書いていきたいと思います。

1.薬剤師国家試験に合格してしばらくお花畑

 

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とりあえず薬剤師国家試験に合格したことを確認して「やったああああああ」と脳内ドーパミンブシャーーー状態です。このために辛く長い薬学部生活を生きてきたんですから、国家試験合格の瞬間はとんでもないカタルシスです。重く辛く苦しく厳しい冬を乗り越え、手に入れたのは「薬剤師」という国家資格。喜ばないわけがありません。

 

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 もう「こんなつらい試験を突破できたんだから自分の人生何があっても怖くない」みたいな状態に一時的になります。合格者ハイです。大学受験の時にも同じ事態に陥った人は多いんじゃないでしょうか?しばらくは脳内がめでたくなります。自分最強~!!!!状態になります。幸せです。

 

2.国家試験のために勉強した内容を瞬時に忘れていく

国家試験までは死に物狂いで勉強していたかと思いますが、国家試験が終わった途端瞬時に知識が吹き飛んでいきます。私はそうでした。物理・化学なんて特にひどかったですね。もともと知識が疎いところに無理やり付け焼刃で詰め込んでいったので、試験終了3日後にはもう記憶がないものにされていました。新人薬剤師デビューしたころには「は?ラセミ体?は…ちょっと待って…え、ギブス自由エネルギー…ちょっと待って…」状態になっていました。しかし実際問題、薬剤師の実務で化学や物理の知識を活用することがめったにないので、どうしても勉強で後回しにしてしまいがちな分野です。

 

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3.次の年の薬剤師国家試験が解けない

バリバリで解けて合格点達成してるよ!という薬剤師の方は非常に優秀だと思います。わたしはてんでダメでした。実務に使わない知識はすべて脳内からすっ飛んでしまったので「必須」「理論」「実践」すべてひどいものでした。「実務」はかろうじて解けたかな…?使わないと脳みそはさびていくものですね。薬剤師のくせに薬剤師国家試験が解けないというのはかなり問題です。後輩の指導をする立場にとてもなれません。ちなみに今もさっぱりです。仕事で使う知識のブラッシュアップならともかく、ずり速度とか回転粘度計とか言われても…いや、使う人もいるかもしれないのですけど、私が知る限り、その手に詳しいのはそっち系の研究をしている人しかいないような…現役の臨床薬剤師で、基礎理論に基づいた仕事をしている人ってあまり聞いたことがないです。

 

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 私みたいにならないように毎年薬剤師国家試験は解きましょう。

 

4.定時出勤がしんどい

それまでは研究室生活だったわけですから、わりと「定時」にうるさくない環境だったかと思います。よほど厳しいブラック研究室を除いては。

 

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 昼夜逆転の学生とか、昼ごろから失踪する学生とか、週2回しか来ない学生とか、普通にいたと思います。研究さえ進められていれば、基本的には好きな時間に来ていい。そんな研究室にいた人も多いんじゃないでしょうか。コアタイムが定められているかと思いますが、それが形骸化していたところも多いでしょう。週何回かのセミナーとか、決まった時間に出ることを義務付けられていた場合は別ですが。

しかし、そんな生活も社会人になるとガラリと変わります。製薬会社だろうと病院だろうと調剤薬局だろうとドラッグストアだろうと、基本的に決まった時間に出勤することになります。これが最初はつらい。「朝起きて、昼働いて、夕方帰る」が意外としんどい。昼夜逆転がしみついている人にはかなりしんどいです。

 

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 製薬会社ならフレックスタイム制を導入している会社も多いかと思います。とはいえ、基本的には「10時とか11時には来てね」みたいな指示があるでしょう。まして新人のうちは、なかなかフレックスタイムを使いこなすのは難しいかもしれません。

できれば春休みのうちに昼夜逆転生活を整えるのがいいでしょう。新人のうちはうっかり寝坊もしやすいので注意してください。早めに寝て、目覚ましは複数用意して。一人暮らしならいっそう気をつけてください。

 

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5.同期が頭よさそうで焦る

「薬剤師国家試験を合格した者」なのだから、基本的に実力は一定レベル以上。

なので、自信を持ってもいいのですが…

同期に優秀な人が集まっているとかなり焦ります。

いままで大学生活では似たような知的レベルの人たちで固まっていましたが、「職場」という世界に入ってしまうと、いろんなレベルの人たちの環境で生きていくことになります。そうなると、自分より低いレベルの人もいますけれど、当然ハイレベルの人もいるわけです。むしろそっちのほうが多いです。

 

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 自分よりはるかに知識量が多い薬剤師を見てビビることもあると思います。しかし薬剤師国家試験に受かったのですから、条件はフェアです。全員が良い薬剤師になる条件を備えています。周囲が優秀だろうとひるむことなく自分を磨くことに集中していきましょう。

 

6.同期の学歴に焦る

旧帝大とか有名私大の名前が出ると「ウワァ」ってなるかもしれません。「俺なんて所詮○○大学だし…名前言っても知ってる人いないし…」なんて卑屈になってはいけないです。患者さんにとっては薬剤師の学歴なんてどうでもいいんです。高学歴でも居丈高で話がわかりにくい薬剤師は求められません。親身になって患者さんの悩み解決に動いてくれる薬剤師のほうが重宝されます。知識はあるに越したことはありませんが、知識だけではよい薬剤師にはなれません。学歴にこだわらずに薬剤師のスキルを鍛えましょう。

 

7.同期がいない

個人薬局とかの規模の小さい薬局とか、小規模な病院だと、同期がいないこともあるでしょう。一人だけというのも結構さびしいものです。同期と比較されるしんどさはないので楽っちゃ楽ですが、知識や情報、愚痴とかをシェアできる相手がいないのは結構さびしいです。わたしは製薬会社でしたが、当時の同期とはいまだに連絡をとっています。「新卒の同期」というのは不思議なもので、何年経っても特別な感覚があるんですよね。そういう意味では「同期がいない」環境は大変だろうなと思います。強く生きてください。

 

8.6年制だから期待される

今までとは違う「6年制の薬学部」を出た存在として扱われるのですから、それなりの目で見られます。実際、給料も4年制の薬剤師より高いわけですからね…

 

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 ただ、個人的には6年制のカリキュラムで「実務向きの薬剤師が育つ」かというと、そんなことないと思います。あんな丸投げ5か月の形だけの実習で、薬剤師のレベルアップになるとは到底思えない。ですから新人薬剤師が「即戦力」になるかというと全くそうは思いません。6年制だからと期待する現場には申し訳ありませんが、そんな特別な能力なんてありません。せいぜい少し難しい国家試験を合格したくらいです…

 

9.4年制薬剤師とちょっと変な空気になる

旧・4年制薬剤師はなんかちょっと6年制に対して「本当に使えるのか?」「2年無駄に使っただけじゃないのか?」って目を向けてくる人がいます。実際わたしも、2年無駄に使った感がなくはないので異論はありません。というか、薬学部がなんで6年制になったのかマジで意味が分かりません。4年制のままでいてほしかったです。2年伸びたから薬剤師として優秀かというと全然そんなことないと思います。はっきり言って迷走してると思います。形だけ医学部と同等にしただけで、内実は何も追いついてないと思います。

 

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 だから4年制薬剤師とは波風立てないようにしておきましょう。狭い職場なのでトラブルは起こさないほうが吉です。変な人もいると思いますので、刺激するのはやめましょう。

 

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10.人間関係が狭い

特に調剤薬局。マジで人間関係が狭くて最初は驚くと思います。ひどい職場だと薬剤師は自分以外薬局長だけ、みたいな環境に放り込まれてしまうかもしれません。いい人ばかりなら問題ないんですけれど、相性悪いとマジで詰みます。うるさいお局とかいると本当に面倒くさいです。狭い調剤薬局の中でもめずにコミュニケーションしていくのは…かなり精神的にしんどいです…いい人だったら心配ないんですが、こればっかりは配属の運しだいなので、何とも言えません。

 

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 あまりにも問題がある場合は異動・休職・退職・転職などの手段を検討するのもありだと思います。無理して我慢してもしんどいままです。

 

【おすすめ】

 自分の未来を拓くのは自分です。わたしたちはもう子供ではありません。先生や親に進路を示してもらう年齢ではありません。わたしたちは責任がある代わりに自由でもあります。どんな道を選ぼうと周りの大人にあれこれ言われる筋合いはありません。自分の幸せのために「転職」という道を選んだっていいのです。

 

せっかく「薬剤師」という一生モノの免許を持っているのですから、それを有意義に楽しく活かせる環境を探していきましょう。つまらない人間関係の問題に頭を悩ませるのは、時間の浪費であり、人生の無駄遣いですよ。

 

 

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11.勉強することが多い

国家試験以外のことをたくさん覚える必要があるので、毎日勉強の連続です。職場の概要とか、医療人とはこうあれとか、採用品目とか、部署とか、あとは単に薬の名前や効果、薬理作用とか、調剤の仕方とか……わたしの場合、まず「病院の構造」を覚えるのに四苦八苦でした。方向感覚が絶望的に悪いので、薬剤師の執務室に戻れないことが何回もあって困りました。あと支給されたピッチの使い方がよくわからなくて最初手間取りました。

 

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 薬に関しては改めて勉強し直しって感じですね。薬理・薬物動態・病態・法規あたりは勉強するんじゃないでしょうか。あと、国家試験と現場ではかなりタイムラグがあるので、実際に使われている薬は知らない薬ばっかりだった!ということもよくあります。追いつけるように常に勉強しましょう。

 

12.最近の薬の名前難しい

これ思うの私だけでしょうか?近年の薬の名前は長ったらしかったり覚えにくかったり、由来が複雑だったりするような気がします。昔のほうがシンプルで覚えやすかった。似たような名前だと調剤ミスとかあるから製薬会社もネーミングに苦労しているんでしょうけど、最近のは本当にややこしくなっています。

 

13.立ち仕事つらい

薬学部生活の多くは座学だったと思います。実験をすることもあるでしょうけど、席に座ってパソコンを使っているような時間も長かったと思います。

しかし実際薬剤師になってみると、立ち仕事の時間がかなり長いです。昼過ぎまで座れないなんてことが頻繁にあります。何時間もばたばたしているので気づいたら脚がぱんぱんにむくんでいて、夜にヒイヒイ言いながらマッサージするはめになります。これがしんどくてデスクワークが多い職業に転職する薬剤師さえいるのです。低血圧とか立ちくらみを起こしやすいとか、立ち仕事に向いていない自覚がある人は向いていないかもしれません。

 

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 「メディキュット」とか使って脚の血液がたまらないように注意したほうがいいです。夜は湯船でよく脚をもみほぐしたほうがいいですね。たまにはマッサージに通うのもいいかもしれません。

 

14.疑義照会マジで緊張

医者に電話するのはマジで緊張します。実習ですでに経験があるかもしれませんけれど、頭がぱにくって変な言葉遣いになるかと思います。台本を用意しても口が思うように動かなくて言葉足らずになってしまうでしょう。ただでさえ電話対応は緊張するのに、その相手がベテランの医師だったりするんですから…たまったもんじゃありません…もはや病院の事務さんが繋いでくれた時点で心臓バクバクです。慣れるしかないので何回もやりましょう…無礼な言葉遣いをしたら医師に怒られるかもしれませんが、仕方ありません。洗礼だと思って耐えましょう。

 

15.調剤ミスって凹む

最初はミスするのは当たり前です。最初からそつなくできる人なんてほとんどいません。大体の人はミスしてつまずいて嫌な思いをしながらそれを積み重ねて少しずつ成長していきます。とはいえ、調剤という命に係わる行為をしている以上、責任は発生します。決して軽い気持ちでやらず「ミスをしてはならない」という思いを常に持っていましょう。先日も、京都大学でセレンの投与量を1000倍間違えたという事故がありましたよね。

京大病院調剤ミス、薬濃度1000倍…患者死亡 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

やはり薬剤師は薬を扱う仕事ですし、ミスをしてしまうと致命的な問題を起こしてしまいます。そのへんのレジ打ちの仕事なら「間違えちゃいました」で済みますが、薬はそれではすみません。患者さんが服薬してしまってからでは間に合いません。それだけ重たい仕事を担っているという覚悟を持ってください。薬剤師は単純な仕事に思えますが、扱うものは「薬」です。使い方次第で人を助けることも、殺すことも容易にできるものなのです。

 

16.仕事がつまらないと思ってしまう

仕事に慣れてきてしまうと、つまらない…やりがいがない…なんて思ってしまうときもあるかと思います。ある意味贅沢な悩みですよね。慣れてしまうことは安定というメリットもありますが、『刺激がない』というデメリットも産んでしまいます。

 

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 実際、実習でも「飽きた」って思った人多くないですか?特に薬局実習。「同じことの繰り返し…まじだるい…」って思ったことありませんか?わたしはそうでした。実習後半は「早く終わらないかな」ばっかり思っていました。「同じような毎日の中から新しいことを学び取る」のが大切なのはわかっていますが、それにしても毎日同じような処方で同じような対応なので、今日が昨日のコピーとしか思えないような一日を過ごしたことも何回もありました。

 

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 薬剤師は奥が深い職業ですのですぐに飽きることはないと思いますし、勉強すべきことはそれこそ無限にありますので、レベルアップしようと思えばいくらでも極めることはできます。転職してレジデントになったような人もいましたしね。問題はあなたの向学心です。「勉強する気になれない…」「向上心がない…」「というか今の職場だるい…」と思うのであれば、改善の必要があります。

 

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17.思ったより薬剤師のヒエラルキーが弱い

特に病院薬剤師でそれを実感します。わたしはそう思いました。とにかく医師にへこへこ。看護師のご機嫌伺い。プロのはずの薬物治療の領域にすら、簡単に口出しできない。というか医師に返り討ちに合う可能性が非常に高い。「薬剤師ならわかるよね?」とかなりハイレベルな相談をされた結果「…待ってください…」と涙目で撤退することもしばしばです。本当に知識の深い薬剤師であれば他職種から必要とされたんでしょうけど、残念ながらわたしはそういう薬剤師ではなかったので、非常に苦しみました。「この職場にわたしがいる意味ってなんなんだろう?」と考えましたね。

 

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18.「チーム医療」など理想論であることを知る

薬学部では実務教育の時間では特に「チーム医療」を説かれるかと思いますが、実際薬剤師以外の職業が「チーム医療」を重視しているかというとそんなことありません。一部の先進的な病院は薬剤師の立場を尊重しているでしょうが、そんなところはまだまだ割合が低いです。現状、病院薬剤師は「とにかく医者に言われたように薬を用意して、医者の邪魔をしないような服薬指導をする」ことに集中するのでせいいっぱいという状態です。医者と薬剤師が対等になるために6年制になったのかもしれませんが、実のところそんなものの実現は遠い未来の話です。今の薬剤師は、目の前の作業をこなすことに必死で、その先の目標を見据えている意識の高い人なんてごく少数です。

 

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 「こんなはずじゃなかった…」と思う瞬間も必ずあるでしょう。仕方ないと思います。学習の場と現場ではあまりにもギャップがある。自分の力を発揮できなくてもやもやすることもあるかと思います。しかし、薬学部も6年制になってまだ10年越えたばかりです。薬剤師が芯から変わっていくことは、短期的には望めないと思います。

 

19.学生のころに戻りたいと思う

ブラック職場の場合「もう辞めたい…」「つらい…」「学生のころのほうがましだった…」「あのころに帰りたい…」と思うようになります。あれだけつらかった薬学生生活すら懐かしくなるのです。なんだかんだで薬学部はただ勉強さえしていればよかったんだから気は楽です。そこには責任はありませんでしたからね。

 

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 しかし薬剤師は「命にかかわる薬」を扱う仕事です。決して軽い気持ちで仕事をしてはいけません。ミスをしたら重大な事故につながりますし、上の薬剤師からも厳しく叱責されることもあるでしょう。そのたびに「向いていない…」「自分なんか薬剤師するんじゃなかった…」「そもそも薬学部に入ったことが間違いだった…」と思うかもしれません。薬を使うというのはそれだけリスクの大きな仕事です。見た目は地味でも、その意味は甚大です。自分が患者さんに渡した薬が、別の薬だったり、濃度が100倍違っていたりしたら…と思うとぞっとしませんか?

 

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 そう思うと、しんどかった薬学生のころすら懐かしく思えるのです。あのころは無責任で楽に暮らしていられたなあ…なんて。毎日薬を目の前にして仕事をすることの重たさと比べれば、日々のテストで頭を悩ませていたことなんてとても軽く思えるでしょう。

 

20.自分はこの職場にいるべきなのか?と悩むようになる

わたしはこれにさんざん苦しめられました。給料は安い、激務、残業代は出ない、人間関係は悪い、ハラスメントが横行、薬剤師の立場は弱く、もうひどい職場です。人の出入りが激しい職場である理由を、入社(?)してやっと悟りました。給料もMR時代とは天と地の差でしたからね。いくら医療は尊いとか言われたって、この待遇の差は我慢なりませんよ。

 

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 先輩にも嫌われて「6年制ほんとに出たの?」「うわー頭悪いねー」とか日常的に言われていたのでいまだにトラウマです。とりあえず3年…と耐えようと思った時期もありましたが、どう考えても3年我慢できる気がしなかったので、結局転職を決意しました。病院はしんどすぎたので次は調剤薬局に。激務で体が壊れていたので、もっとワークライフバランスを重視できる職場に変更しました。

 

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 結果として、転職してよかったと思います。たしかに病院薬剤師をやめたことによって、専門薬剤師にはなれないとかデメリットもありましたが、今の自分にとって何より大切なのは心身の健康だったので、そんな細かいことは言ってられませんでした。自分の体が動かないと何も意味がないんです。いくらお高い目標を掲げたところで、健康じゃないと意味がないんです。私たちは無限に働けるわけじゃありません。休まないと壊れます。生き物ですから。

 

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 我慢しすぎたところでいいことはないとわたしは思っています。知人の薬剤師でも、劣悪な環境の職場で勤務し続けた結果心身を壊した人を何人も知っています。あなたの健康を守ってくれる人は誰もいません。あなたが守るしかないんです。仕事をすることは大切なことですが、自分を守ることはそれ以上に大切なことです。言い方悪いですが、薬剤師なんてあなた以外にも掃いて捨てるほどいます。しかし「あなた」の代わりはいません。どれだけつまらない人生を送っていようと、「あなた」はオリジナルの存在であり、その人生を破壊する権利は何人たりとも持っていないはずなのです。

 

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 ですから、我慢の閾値を超えてしまったら、もう早い目に見切りをつけてしまうのもありかと思います。薬剤師は国家資格ですから、すぐに新しい職場なんて見つかりますし。「ここ辞めたら行く場所がない…」なんて嘆く必要は全くありません。60代の未経験薬剤師でさえ普通に調剤薬局で働いているような時代です。薬剤師はまだまだ人手不足です。過剰飽和問題もありますが、今のところは大丈夫です。

そんなことより、自分の健康を大切にしてください。連日激務で食欲も睡眠欲も失ってしまったら赤信号です。病気になってしまう前に、異動・休職・退職・転職などの手段を検討しましょう。

 

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 逃げることは何も間違ったことではありません。自分の状況に合わせて的確に判断し、対応していくことは、社会人として半永久的に求められるスキルです。「まだがんばれる」「まだやれる」なんて過信してはいけません。その時点であなたはもう無理なんです。心身がサイレンを出している段階なのです。決して自分の能力を過信してはいけません。人間は思ったよりも壊れやすいのです。

【おすすめ】

 自分の未来を拓くのは自分です。わたしたちはもう子供ではありません。先生や親に進路を示してもらう年齢ではありません。わたしたちは責任がある代わりに自由でもあります。どんな道を選ぼうと周りの大人にあれこれ言われる筋合いはありません。自分の幸せのために「転職」という道を選んだっていいのです。

 

せっかく「薬剤師」という一生モノの免許を持っているのですから、それを有意義に楽しく活かせる環境を探していきましょう。つまらない問題に頭を悩ませるのは、時間の浪費であり、人生の無駄遣いですよ。

 

 

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新人薬剤師として、緊張することもつらいことも失望することもたくさんあると思います。しかし、すぐにあきらめることなく、しぶとく生きて、場合によっては撤退も考えて、とにかく「生存第一」で過ごしていきましょう。無理をしたり理不尽に耐え続けたりする必要はありません。これから続く長い人生を、健康に生きていくために、「薬剤師」である前に「一人の人間」として、今後の生き方を模索してください。