薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

ウィズコロナ時代で薬学部進学、薬剤師を目指すメリットデメリット

いつの時代も進学は人生の大きなテーマです。進学するのか就職するのか、やりたいことはあるのかこれから探すのか、日本にいるのか外へ出てみるのか…自分のこの先を真剣に考える機会です。

しかし今ほど真剣に考える、そして誰も答えがわからない時代というのもそうないでしょう。100年に一度の災害といわれる新型コロナウイルス、そして人類の戦い。日本も他人事ではありませんし、今後何年かは生活に影響をもろ受けるのは確実です。

このブログは薬学部や薬剤師について発信しています。今後のコロナ時代で、果たして薬学部進学はよい選択といえるでしょうか。

 

 

 

コロナ時代だろうと薬学部はきつい

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学費がない、勉強がつらい。卒業までが長い。

薬学部のしんどさは無数にありますが、代表を三つあげろと言われたらこれじゃないでしょうか。お金と時間と脳みそがやられるんですよね。楽に卒業できた学生なんてほとんどいないでしょうし、いるとしたらよっぽどポテンシャル高い人です。普通の学生なら必ず苦しみます。薬学部は人生のモラトリアムなんかじゃありません。

 

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 もしあなたが安易に「大卒なら就職しやすそうだし、薬剤師とれたら一石二鳥だから薬学部に行こう」と考えているのなら、もう一回見つめ直した方がいい。確かに薬剤師は便利なカードですし就職にも役立ちますが、「そもそもそこまでたどりつけない」学生が多いのも事実です。

学費が高いんですよ…国公立でも安いとはいえないのに、私立なんて滝のようにお金がこぼれていきます。もし潤沢なご家庭で学費の工面が十分であるならともかく、貧しいにもかかわらず奨学金を借りて都心の私立大学に通うのは…地獄を見ます。

 

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 卒業時の奨学金借金が1000万の人もいます。まだ結婚も子供もないのに借金まみれで社会へ放り出される、普通に考えて恐怖でしょう。これで免許とれたらまだいいですけど、留年ループで金だけ減って中退コースなんて本当に最悪です。金の自信がないなら、とくに私立の薬学部は行かないほうがいい。

 

コロナ時代、何が起こるかわかりません。自分のバイトもつぶれるかもしれませんし、親御さんの仕事もうまくいくとは限りません。誰に何が起きるかなんて誰にもわかりません。ただ、余裕がないのに非現実的なチャレンジに走るのはどうかと思います。皺寄せは全部自分に来ますしね。

 

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 まだ高校生だと学費のイメージはつきにくいかもしれません。しかし確実に卒業後の人生もついてまわります。

コロナ時代、薬学部に行くことは贅沢な挑戦になるかもしれません。

 

入学できたとして、卒業できる保証はどこにもありませんしね。

 

勉強ばかりの6年間

勉強もきついです。本当に…私は人より成績の悪い学生だったのでとくに苦痛に感じたのですが、とにかく課題つくしなんです。しかも課題の意味がわからない。用語の意味がわからない。毎回ものすごいスピードで進むからノートをとってもわからない。友達に質問したくてもなにがわからないのかがわからない。

きついんですよね。一回くじけるとどんどん差が開くし、やる気もなくなっていくし、前向きになれなくて学校から遠ざかるし、ひきこもりに入って留年ルートとか最悪です。よくあることなんですけど…

 

まわりと差が開いていくと自分から壁をつくってしまうし、自主的に学ぶ気持ちも衰えてしまいます。一人で勉強することはしんどいです…留年などするととくにきつい。

メンタルコントロールが本当に大切です。鈍感なくらいがちょうどいい。

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 薬学部は長い牢獄生活です。

他の学部と違うのは4年で卒業できないことです。6年制を卒業すれば「学士」中退すれば何年勉強してても「高卒」です。むくわれないですね。

医療が食いはぐれないのは専門の知識やスキルがあるからであり、それを証明するものが免許です。なので簡単な勉強でうまくいくわけもないので…入学前から覚悟しておくべきことでしょう。

コロナ時代は恐らく就職氷河期の再来と予想されるので、専門資格をとる選択は悪くはないのです。しかし薬学部が本当につらい。メンタルをやられる。とくにはじめて一人暮らしをしながら厳しい学生生活をする人たちは、注意が必要です。

大学デビューとかあったもんじゃありません。刑務所みたいなもんですから、覚悟して勉強して、絶対に6年で出ましょう。

 

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卒業する覚悟をもって臨め

卒業までひたすらきついです。実務実習も…いい実習先に配属されるとラッキーなんですけど、カスみたいなとこだと積みます。薬剤師に絶望します。どうしてこんなのが薬剤師として働いているんだ?って絶望することもあるでしょう。そんなときは薬剤師以外の仕事をやりましょう。ただし免許をとった上です。

 

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 これまで以上に不安定な時代が来るのは確実です。誰にも等しく現実は降りかかります。そこで薬学部にいく選択をするのは…

もし自分が今の学生だったら、薬学部は行ってないかもしれません。お金も時間もかかる、勉強もつらいし…それならそこそこのレベルの理系学部で資格をとって、公務員になったりするかな…学生時代にプログラミングの勉強もして…

卒業できるか怪しいじゃないですか。私立の薬学部も今後怪しいし。だから卒業できる自信がある人は薬学部に行ったほうがいいかもしれません。私は凡庸以下の成績なら行かない方がいいと思います。

 

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崇高な理想なんていらない

医療職につく人は意識が高く、患者さんのために尽さなければ!という自己犠牲精神がある人が多く見えます。

しかし、それは本当に必要なことでしょうか。やるべきことをやってそれが当たり前なのに、それ以上に抱えてつぶれて病むのであれば、それは理想以前に働き方、生き方として問題があるのではないかと思います。

 

私は過去の職業で病んでしまい早々に逃亡してしまいましたが、それを恥じるかというとそこまでではありません。職場とのミスマッチは誰が悪いわけでもないからです。

医療を変えなければ!とか世界の人たちを助ける!とかたいそうな夢も持っていません。でも世の中のほとんどの人はそんなもんでしょう。毎日食べるものを確保して寝る場所があれば十分ではないでしょうか。

 

薬学部に進むからといって他の学部よりも意識が高くなければいけない、なんてことはありません。そんなことより進級すること、卒業すること、免許をとること、ちゃんと働くことが大切です。

声だけでかくて耳触りのいい理想を語る人間ほどしょうもない実力しか無いのはあるあるです。理想論を語るくせに留年を繰り返して中退したり。時間の無駄です。

 

人生の限られた時間を学業に費やす以上、無駄なことなんてしてられません。そして出来もしないことをベラベラと話すわりに目の前のテストも合格できない人間にはならないでください。詰みます。

 

コロナ氷河期を乗り越えろ

コロナ時代、薬剤師は手堅い仕事なので薬学部の人気は上昇するかと思います。しかし決して手を抜かないでください。くだらない誘惑になびかずに一つ一つ課題をクリアしてください。お金も時間も若さも限られています。無駄遣いしないでください。

 

高校生のころはなにも考えてなかったので、進路も適当でしたが…コロナ時代は深刻です。

卒業して免許を必ずとる前提じゃないと、はっきり言って薬学部に行くメリットはありません。覚悟して進路を選んでください。氷河期を切り抜けましょう。

生まれる時代は選べません。新型コロナウイルスでここまで世界が変化するなんて、誰も想像つかなかったでしょう。でもやっていくしかありません。老若男女問わず、現実に対応していく人間だけがいつの世も生存します。

生き残る手段を模索しましょう。