薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【進学】薬剤師は奨学金を返せる?学費は高い。借りた金額と職種による…【就職】

これから進学を考えている高校生、就職先を探している薬学生に考えてほしいことがあります。特に奨学金を借りている学生。これは今後の人生にかかわる問題なのでよく考えてください。

「薬剤師に本当になりたいのか」「薬剤師になったとしてちゃんと奨学金を返せるのか」

これを無視したまま生きていくのは難しいです。何も気にしないでいられたら幸運ですけどそうもいかないことが多いです。お金の問題はいつでも生活についてきてまとわりつきます。たとえ大学を卒業しても、むしろ卒業後が本番です。

そもそも奨学金を借りてまで薬学部に行きたいのか

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薬学部が抱える奨学金は膨大

薬学部に行きたい高校生に考えてほしいのは、まず薬学部に行きたいその意思はそこまで強いのか、ってことです。端的に言えば薬剤師になりたいのかってことです。

ここで家にお金がある人は大して考えなくてもいいです。お金の面は親がどうにかしてくれるので、あとはなんとしてでも勉強して卒業して免許を取ってください。留年地獄に陥ったらアウトです。

 

 

実家にお金がないのに奨学金借りて東京の私立薬学へ上京…たまに聞きますがおすすめしません。薬剤師はそこまで稼げないしそもそも卒業できる見込みもあやふやだし。借金だけ残るオチならみじめすぎです。

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 ただ問題があるのはお金の工面がつかない人たちです。お金がないなら大学に行くな、とまでは言いません。そこまで日本は鬼畜ではありません。そういう学生を助ける制度が学生鬼畜ローン、違った「奨学金」です。これを借りることで学生時代の学費や生活費をしのぐことができます。

 

奨学金には「給付型」と「貸付型」があります。給付型なら返済しなくていいのでラッキーですが条件がかなり厳しいです。だいたい貸付型になるでしょう。貸付型にも利子があるタイプと利子がないタイプがあります。利子がないタイプの方が返済はお得ですよね。しかしこれもまた成績や家庭環境の縛りがあるので、誰も彼も借りることはできません。もっとも多く使われるのは「利子がある奨学金」でしょう。

 

薬学部は6年通うので原則6年分の奨学金を借りることになります。下宿生だと生活費もかかるのでそのために奨学金が使われる場合も多いでしょう。アルバイトや親の仕送りでなんとかなればいいですが、特に都会の大学だと…厳しいでしょう…

 

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 一番きついパターンは「有利子の奨学金を借りて、都会に一人暮らしで私立の薬学部に通う」人でしょう。もうえらい金額がかかります。卒業するまでにどんだけ金がかかるんでしょう、はっきり言ってコスパ悪いです。

 

最低1200万円かかる世界に借金つくって進学するわけですから、マジで地獄です。漠然とした憧れで都会の大学に行きたいと思っている方はここを注意したほうがいいです。

地方都市ならともかく首都圏なんて馬鹿みたいにお金がかかります。家賃だけで10万近くいくんですから、家賃だけのためにバイトしてるようなもんです。そしてバイトしすぎで大学に行けなくなって退学、なんて人も何人もいます。気をつけてください。

 

そういうきつい思いをしてまで、そもそも薬学部に行きたいのか?安易な希望だけで薬学部を選んでいないか?在学中の勉強の大変さ、経済的コストの大きさを考慮せずに言っていないか?そして奨学金に過度の期待をしていないか?給付型や無利子の奨学金を安易に利用できると思っていないか?

ここを真剣に考えないといけません。

 

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奨学金は借金なので返さないといけない

奨学金という名前ですが借金です。返さないと怖いことになります。3か月延滞すると大変なことになります。返済猶予などの処置はしてもらえますが、返済を怠るとえらいことになります。借金を返せない人間は信用できない、という扱いになります。

 

学生時代に借りた借金は卒業後に返さないといけない…まあ当たり前のことです。しかしこれが大変。20年返済という前提で行われる借金というのはしんどい。最低24歳で卒業するわけですから20年ペースで返済しないといけないなら、返しきるのは44歳。それまで学生時代の借金に振り回される。

これはとてもストレスになる。ライフスタイルは年齢と合わせてどんどん変わっていくのに、借金はずっとついて回る。うっとうしいことこの上ないです。

 

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 それでも無利子ならまだマシなのかもしれません。問題が有利子…さっさと返さないとどんどん金額が膨れ上がっていきます。のんびり返してもいいですが、そうすればするほどすごい金額になってしまいます。卒業後に一括返済でする人も少なくないようです。利子が数十万、100万単位になっていくわけですから無駄きわまりないです…

 

薬学部は6年も通うわけですから、他の学部と比較すると単純計算で1.5倍の学費になります。すなわち必要となる奨学金も1.5倍になります。よくよく考えてみてください、卒業したらいきなり数百万の借金持ちでスタートですよ、やばくないですか?

 

奨学金はなんとなくもらえる適当なお金、と考えていると卒業後に大変なことになります。お金を前借りしているだけです。卒業後に返済しなければなりません。そしてそれは数百万におよぶので、何年もかかる勝負になるってことです。結婚しても子供ができても転職してもリストラになっても病気になっても家を買っても介護しても、学生時代の借金がついてくるんです。

しんどいです。

 

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卒業後もずっと借金がついて回るのは苦しいものです。6年分の借金を背負いながら給料で生活しつつ、返済を続けていくというのは決して楽ではありません。学費に困ればとりあえず奨学金を借りたらいいじゃん、と安易に考えていいものではありません。

 

【受験勉強におすすめ】

薬学部に入学後が厳しいのは当然として、その前提の大学受験ももちろん大変です。その場しのぎの暗記ではやり過ごせないですし、日々こつこつと積み重ねないとライバルに打ち勝つことはできません。

高校3年間はびっくりするほど早いので、ちんたらしてるとあっという間に周りに差をつけられます。適切な勉強を繰り返していくのが、確実に薬学部に進むために重要です。

準備が早すぎて損をすることはありません。まずはスタディサプリで日ごろの学習を補完していくことから始めてみてはいかがでしょうか。

高校のころから適切な学習習慣を身に着けていけば、薬学部に進学後もスムーズな学生生活を送れます。

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薬剤師=金持ちだからすぐ返せるでしょ!

私立大学で奨学金が総額1000万以上にふくれあがっている薬学生とか見ると「大丈夫か…」となります。家が金持ちならいいんですけど、そもそも金持ちなら奨学金を借りないというか借りられない。つまり卒業後に自力で返すのがベース。その金額が1000万以上…良い外車が買えますよ…

薬剤師になったら金持ちになれるから借金返済も楽勝でしょ!と思う人もいるかもしれません。しかしこの考えは半分当たってて半分間違いです。薬剤師が全員金持ちになるかというと、そうじゃありません。病院薬剤師なんてほんとすずめの涙かよってくらい薄給です。そのくせ激務だし。

 

免許を取ればそれでOK…だったらよかったのですが現実はそこまで甘くないです。薬剤師は小金稼ぎには良いかもしれませんが借金一切返済できるほどガツガツ稼げるわけでもありません。甘い夢を見ない方がいい。

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 薬学部に関連する職業として一番儲かるものを考えるなら、やはり製薬会社のMR(営業)です。ここで何年か働いて一気に稼いで一気に返済する。それもひとつの手です。いくらMRでも1000万以上の借金を返済は大変ですが…製薬会社はある程度のレベル以上になると福利厚生が整うので、実質年収がかなり上がります。具体的に言うと家賃補助が〇万円出たりするので、家賃が年間数十万浮いたりします。これは非常に大きい。

MRとして成績をあげるとガンガン稼げるのは事実です。特に外資系なんてすごいです。負け組には容赦ないですが、戦績をあげた社員にはインセンティブががっつり来ます。「卒業後すぐに稼ぎたい」と考えるのであれば「外資系製薬会社でMRになり、高成績をあげる」ことが最短ルートかもしれません。24歳をスタートとすれば、30歳までに返済することは可能でしょう。よっぽど荒い金づかいさえしなければ…

 

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 しかし、当然想像がつくかと思いますが激務です。ブラックどうこうというより、とにかく仕事をする時間が長いんです。ワークライフバランスを大事にしたい人には絶対に向いていません。早朝早いし夜も遅いし…医療機関に合わせて仕事をするんだから、自分の都合で切り上げるわけにはいきませんし…これが毎日毎日続いていくんですから、ぶっちゃけかなりタフな人じゃないと残りません。

よくあることですが、入社時点では目を輝かせていたMR候補生が、現場の壮絶さに圧倒されてメンタルぶっこわれてしまい、続々と退場していきます。自分がどの職業に向いているか、向いていないのかは、冷静に考えなければなりません。

 

薬剤師というだけで金持ちになって一気に奨学金を返済できるわけじゃありません。薄給激務もありますし、高給激務もあります。昇給が少ないものもあります。まさか医師なみの給料と誤解している人はいないでしょうけど…初任給50万とか勘違いしているなら改めてください。現実に絶望します。

 

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借金してまで薬学部に行きたいか、どんな仕事で返済していくか

たとえば「うちで〇年働けば奨学金返済をサポートする」みたいな職場もあります。そういうところを見つけるのもありです。まあ入社してすぐにブラックとわかっても、〇年間働かないと奨学金返済の恩恵を受けられないので、いってみれば「人質」なんですよね。職場がマッチすれば幸運ですけど…そうじゃないときの悲惨さを考えると泣けてきます。ただでさえ最初の職場にぴったりはまることなんて少ないのに。

 

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 まだ進路を考えている高校生の方は、こういう現実があったうえでも薬学部に行きたいか考えてください。

  • 金持ちの家→私立でも国公立でもOK。ただし卒業まで猛勉強
  • 貧乏の家→できれば国公立。奨学金はできれば給付型、あるいは利子なし。ハイコストの都心は避けたほうが吉。もちろん卒業まで猛勉強

残酷ですね。親が貧乏か金持ちかで進路は制限されます。不公平ですがそれが現実です。そもそも大学に行くこと自体が誰でもできることではありません。義務教育じゃないんだから、本人の希望でいいんです。大卒じゃないと仕事の選択肢が少ない今の社会に問題があるのですが…まあ進学するにしても「都会の私立薬学部」はえぐいですよ。これに1人暮らしと奨学金が重なると、もう地獄の壺に自分から飛び込んでるようなものです。

 

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 カネの問題は重くのしかかります。親に庇護されている未成年、勉強が本分の大学生のうちはわかりませんが、卒業すると「え、これ自分で返済するの?」って現実に頭を抱えます。中高年になるまで借金持ちとかやってられないじゃないですか…それで薬剤師になれてるならまだいいですけど、バイトに明け暮れたせいで留年繰り返しからの退学とか、本当に何しに来たんだかわかりませんよ。

在籍してるだけで薬剤師になれるわけじゃない、そしてタダで勉強できるわけでもない。それは変わることのない現実です。慎重に考えてください。

【受験勉強におすすめ】

薬学部に入学後が厳しいのは当然として、その前提の大学受験ももちろん大変です。その場しのぎの暗記ではやり過ごせないですし、日々こつこつと積み重ねないとライバルに打ち勝つことはできません。

高校3年間はびっくりするほど早いので、ちんたらしてるとあっという間に周りに差をつけられます。適切な勉強を繰り返していくのが、確実に薬学部に進むために重要です。

準備が早すぎて損をすることはありません。まずはスタディサプリで日ごろの学習を補完していくことから始めてみてはいかがでしょうか。

高校のころから適切な学習習慣を身に着けていけば、薬学部に進学後もスムーズな学生生活を送れます。

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