薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

社会人からの薬学部入学。薬剤師になりたいならプライドは捨てろ

社会人生活が長いと、いつしか勘違いに似た感情を抱くようになります。それは社会を長く経験した自分は学生(若者)よりも格上であり、若い者を率いていかなければならない、ともすればなめられてはならない、というプライドめいたものです。

もちろんすべての人がこのような思いを抱くわけではありませんが、いわゆる「社会人」として長く過ごしていると、学生時代と異なるマインドになっていきます。それは悪いことではありません。社会で過ごすには問題ありません。

しかし大学という特殊な環境ではいかがでしょうか?郷に入っては郷に従え、昔からそういいますが、社会人で大学、それも薬学部に入学した人には何が必要となってくるでしょうか。

偉ぶるな、マウントするな、絶対に

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年長アピールはうっとうしいです

まず言いたいのが、「大学」という環境では年齢の序列は意味がありません。前に別の大学に通ってようと会社で働いていようと知ったことありません。全員が等しく大学生です。高校までと違って年齢という明確なヒエラルキーがありません。そこで「俺は年長だから」という態度を表してしまうと、速攻で痛い人認定されてしまいます。

 

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社会人入学した人で、同級生で一番年長と知ったとたん「自分がこの学年のリーダーだ!」と使命感にかられたらしく毎週のように飲み会を開いた人を知っています。本人は必死で回りの空気を盛り上げようとしていたのかもしれませんが、ほかの学生の評価はすこぶる悪いものでした。「いい年して飲み会ばっかりみっともない」「アルハラがうっとうしい」「社会人アピールを聞かされてうんざり」というものでした。

結局その人は成績が悪くなったかなんかで大学に来なくなり、卒業もできなかったようです。飲み会開いていただけでした。何がやりたかったんでしょう?

 

ここまで極端じゃなくても、要は年齢をかかげたマウンティングは確実に嫌われるのでやめましょう。実社会と違って、大学は年長だから偉いってもんではありません。

 

「ため口」許せるか、どうか

私が薬学生だったころの話ですが、医学部の後輩と話していて普通にため口を使っていたのですが話の流れの中で「あれもしかして年上?」となり、年齢を確認したら10歳上だったことがありました。若く見えたのと、本人に年長ぶる様子がまったく見えなかったから、つい間違えてしまいました。

 

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非常にフレンドリーな人だったのでその後もため口で付き合いは続きましたが、今思うと奇妙な話です。20歳と30歳がため口で話すなんて、会社ではありえませんからね。これは大学という特殊環境あるあるなのではないでしょうか。これから薬学部に社会人入学する場合、同級生は21世紀生まれなのが普通になります。そういう人と友達のように話せるか、これは「プライド」「こだわり」がどこまで捨てられるかの問題と思います。

さらにいうなら「明らかに年下の先輩」とどう付き合うか、が難しいところです。コミュニケーション能力が高い人なら問題ありませんが、普通に考えて、30歳が20歳に「〇〇先輩!」ってついていく姿は結構ヘンです。大学の外でそんなのをやってたら「???」と目を向けられることでしょう。

この違和感とどう付き合っていくかが、6年を平穏に過ごすための課題になります。

 

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居心地が悪い→大学に行かない→単位を落とす→留年→

コミュニケーションの問題なんて些細なことだ、勉強しにやってきてるんだから、そんな悩みなんて二の次だ…そういう意見ももちろんあるでしょう。しかしこれが薬学部のジレンマというか、勉強を継続するために大学に居場所をつくらなければならない、死活問題となってくるのです。

 

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困難だらけの薬学部生活で一番重要なのは「孤独にならないこと」です。これはマジです。どれだけ優秀な人でも6年間も孤独に過ごすのは大変です。医学部の知人がいますが、彼は数々の図鑑を完璧に暗記する非常に明晰な頭脳を持っているにも関わらず、4回も留年しています。その理由が「友達がいないため、試験などの情報を共有してもらえないから」でした。一方で、たいして頭もよくないけど友達だけは多い人がストレートで卒業していったりします。

 

 

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6年も続く過酷な学生生活で、仲間は必要不可欠なのです。それは社会人薬学生も同じです。むしろもっとじゃないでしょうか、同類は少数なのですから。ここで俺は周りとは違うんだって一匹狼を貫くのはあまりおすすめできません。学年内では当たり前に浸透している情報が自分にだけはわたってこず、だれでも突破できるテストにつまずいたり、何かと遅れをとり、単位を落とし、だんだん大学に行くモチベーションを失っていきます。

そして、薬剤師免許をそこまで取りたくない自分に気づいてしまい、退学します。

 

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厳しい6年間を越えるために、プライドは捨てよう

絶対にあきらめない心が大事

生半可な決意では社会人薬学部なんてやってられないのです。優秀でも心が折れたらどうしようもない、体を壊したらどうにもならない。ただでさえ若い学生と比べて頭も体も衰えている、不利な条件でのスタートです。

敵はできるだけ作らないほうがいいです。余計なプライドは捨てましょう。ごく一部の素晴らしい社会人学生なら問題なく卒業して薬剤師免許を取れますが、だいたいは一回はくじけます。留年しても巻き返せる人もいるし、いつのまにか姿を見せなくなった人もいます。薬学部を出たはいいけど薬剤師免許を取れてない人もいます。

コミュ力がある学生は年齢関係なく交流できますし、トントン拍子で卒業できます。人間性が大事なのです。

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お金もかかるしとにかくハイリスクな試みなのです。できる限りストレートで卒業するために、余計なプライドや驕り、社会で培った常識を捨てたつもりで学生生活に挑むのをおすすめします。周りを大切にしましょう。めぐりめぐって自分を助けてくれます。