薬学部を卒業して薬剤師国家試験に合格するとめでたく薬剤師免許を取得し、薬剤師として働くことができるのですが、もちろんそこがゴールなどではありません。
険しい6年の旅を終えたところで、人生がそこで終わるわけでもなく、研鑽の日々は続いていきます。薬剤師として働かない人もいるでしょうし、ずっと現場で働く人もいるでしょう。いろんな生き方がある中で、薬剤師として「これはどうなんだろう…」と思わされる態度について今回は書いていきます。
謎のプライドの高さ、扱いにくさ、面倒くささ
これは自分にも言えることなのですが、薬剤師ってめんどくさい人多いと思います。なんというか、妙に我が強いというか、適当なところで折れたり話を譲ったりできなかったり、自分のことしか話したくないのが伝わってきたり、「私は周りとは違う」オーラを漏らしまくっていたり…
MRとして働く知人が言うには、「薬剤師は先生扱いしたら喜んでくれる」とのことでした。プライドをくすぐってあげると話が進みやすいのでしょう。普段はどうしても医者より低いカーストにあるからなのか、コンプレックスをこじらせている人もたまにいます。医学部コンプを薬剤師になってもなお引きずり、医学部受験に移る人も少なくないですからね。
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このプライドの高さが患者さんに対して発揮されると「うわ…」って引かれます。聞いてもないのに長ったらしく余計な説明をしてきたり、無意識なのか知識マウンティングをしてきたり…患者さんに傲慢な態度を見せつけている薬剤師は、いかに優秀でも見限られてしまうと思います。接客業なので。
「この人がいるから行きたくない」は避けたい
接客という意味では薬剤師もキャバ嬢も根っこの部分は同じと思っていて、「この人がいるから行こう」と思ってもらえたら成功なわけです。正直薬局なんてどこも同じですし、薬剤師も有り余るほどいますし、どこでもらったって薬は同じですし、どこに処方箋持って行ったって支障ないわけです。そんな中で「じゃああそこに行こう」って思わせる源は何か…になると、スタッフの質につながると思います。どこも同じなら、最寄りが一番人気になるはずですしね。
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ただ、どちらかというと「この人がいるならもうこの薬局行かない」と思わせない、のが非常に重要かと思います。私も患者として薬局や病院に行くのですが、ありえないような薬剤師にたまに遭遇します。そしてそんな場所にはもう二度と足を運びません。不快な思いをするのが確定した場所を行きつけにしたくないからです。
患者は「地雷」を踏まれるとリピーターにならなくなります。そして多くの人は、その薬局を選ばない理由を話すことはありません。静かに人が消えていき、人気が衰え、競合他社に敗北するのです。
以下、「この人がいるならもう行かない」と思わされた薬剤師の特徴を簡単に書きます。
不潔
結んでいない傷んだ長い髪、ちゃんと染まっていない金に近い茶髪、しわやホコリだらけの白衣、ずれた名札、脂だらけの眼鏡、異常に肌荒れした顔、濃すぎる化粧、長い爪、黄ばんだ歯、よれたネクタイ、しみがついたシャツ、口臭体臭柔軟剤など、挙げれば本当にきりがないのですが、要は「健康さ、健全さ」が感じられないルックスはまずいと思いました。今はコロナの影響で鼻から下はマスクで隠せるので、多少はやりやすくなったのかな…
なんか喧嘩している
どっちがモンスタークレーマー?って勢いで怒鳴り合っている薬剤師と患者さんがいて、あれはなかなかスリリングでした。どすのきいた低音で怒鳴っている男性薬剤師だったので、あれを見た患者さんの多くは「もうここ来るのやめよう」って思ったんじゃないでしょうか。いくらやばい状況だったとしても患者さんに暴言を放ってそれを見られてもなんとも思わない、のはいかがなものかです。
あと薬学部の実習生を怒鳴りつけてるのも印象最悪でした。注意したいのはわかりますけど、患者も見ているのに大声で罵倒するのは普通にパワハラですよ。
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患者の話を聞かない
「それ、さっきも言いましたよね?」ってのを3回やられたときにはもう二度とここには行かないと決意しました。ただでさえ病院で医師相手にさんざん話してるのに、薬局で二度手間とらされてるのに、薬剤師がボケっとして同じことを繰り返し聞いてきた日には、「院内薬局でいいじゃん」って思いかけてしまいます。
あと聞いてもない自論を延々聞かされるのもノーサンキューです。早く帰りたいのに、1質問したら1だけ返答してほしいのに、的外れなことをくどくど言われると「あーあ…」ってなります。これをいろんな患者さんにやってるんだとしたら、だいぶ危険です。
ミスが多すぎる
もう大前提として当たり前なんですけど、処方箋通りに薬を出してほしい。それさえできないのであれば、いちから薬剤師修行をやり直してほしい。名前が似てる薬とか規格が違うやつとか、極め付きは薬袋じたいをほかの人と取り違えるとか…私が行った薬局では「この薬って〇〇(分類)ですよね?」って質問したら「そうなんですか?」って返されました。は?
このブログでしつこく薬学部生活の厳しさを書いていますが、当たり前なのですが、免許を取ってからのほうが責任は重くシビアなのです。免許を取って終わりと思うなら、一生現場に立たないでほしい。右から左へ薬を持ってきて並べるだけで給料がもらえると思ってるなら認識を改めるべきです。
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倫理観の欠如、痛みに寄り添う心がない
思うことは、頭だけよくても医療人にはなれないということで、患者の話をろくすっぽ聞かない、何で苦しんでるのかを想像できない、悩みを解決しようと頭を回せない、どう言われたら、何をされたら患者さんの心身は楽になるんだろう、と考えを巡らせられない人間はダメです。
自分のものさしだけで考えて、患者さんの立場を想像できない、自分の考えばかりを押し付けていては相手も聞く耳を持たなくなります。これは接客業なら基本というかすべての業種に通ずるものですが…ただ薬を出すだけならAIでもできるわけで、「この人なら」と思われるには人間としての倫理観、相手の痛みに寄り添う想像力、いわゆるお勉強では身につかない力を育てる必要があります。
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長々書きましたが、最後が一番重要かもしれません。そもそも健康なら薬局なんか来ないわけで、なんらかの悩みや痛みを持っているならそれを解決させよう、気持ちを楽にさせようという心がけがないのであれば、医療人としての成長はありません。
薬剤師はただ薬を渡すだけの仕事ではない。胸に刻み込んで働いていきたいものです。