薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

薬学部が辛すぎてやめたいなら、退学後の進路をきっちり決めておこう

薬学部で苦しんでいる学生のみなさん。私もかつてそうでした。薬学部に入った自分の決断の甘さに絶望し、何度も親や友達、高校の先生に相談し、中退すべきか悩みました。結果として薬学部に残ることを選びましたが、その先は言わずもがな、苦しい困難の連続でした。

薬学部はとてもハードです。辞めたくなるのも当然だと思います。このブログにも「薬学部 やめたい」検索でやって来る方もいます。悩んでいる方はこの国にたくさんいるんだと思います。

ただ、安易に中退するのは危険です。まずよく考えてみましょう。

 

勉強したくないだけ、の理由でやめるのは考えよう

知り合いに薬学部2年で退学した人がいます。その人は声優になりたいという強い夢を持っており、退学してすぐに専門学校に進みました。今ではわりと名のしれたアニメ作品にも出演しているそうです。この人の場合、薬学部でずっと勉強しているだけでは声優の夢は叶えられなかったのではないでしょうか?夢を実現したい、その強いモチベーションが退学後の進路を輝かしいものにしたんだと思います。

 

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さて、あなたの場合はどうでしょうか?薬学部を辞めたい気持ちはよくわかりますが、私から言えることがあるとすれば「辞めたあと何をやりたいのか」がはっきりしていないまま辞めるのは危険だ、ということです。

よくブラック企業で働く人に対して嫌ならやめるべき、と言いますが、あれは心と身体が限界でとにかく休まなければならない黄色信号が出ているからです。それに会社のひとつふたつ辞めたところで大きな影響はありません。就活すればいいだけです。

 

しかし大学になると話は別です。中途半端な気持ちで辞めた挙げ句、引きこもりやニートになってしまった学生もたくさんいます。何もやりたいことがない、今更動き出すのもめんどくさい、そんなこと言ってるあいだに年をとって30オーバー、なんてのもざらにあります。

ただ勉強が苦しい、だけの理由でやめると、あとが大変になるかもしれません。

 

 

薬剤師になりたいなら、努力するしか無い

精神論になりますが、薬剤師になりたい、でも勉強がつらい、でも薬剤師になりたい…と思うのであれば、これはもう努力するしかありません。編入でレベルの低い薬学部に行ったところで最終地点は薬剤師国家試験なので、ココがダメなら永遠に免許なんて取れやしません。だったら、今いる場所で一所懸命頑張ったほうが早いと思いませんか?

薬学部は入学は簡単ですが最後がとても厳しいのです。でもそれを承知の上で入ったのでしょうから、薬剤師になりたいのなら、頑張るしかありません。それくらいの努力もできないで薬剤師になっても、その後の生涯研鑽なんて続くわけもありません。人の命のために働くんですからね。

 

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ちなみに私が薬学部に残る決断をしたのは、薬学部をわざわざ辞めてまでやりたいことが特になかったからです。でも薬剤師免許は魅力だったので取得したいと思った。他に勉強してみたい分野もありましたが、わざわざ今やる必然性はないと思った。大学は何歳からでも入れますからね。

結局勉強しまくるという原始的なやり方で進級していきました。こうなると一種の諦めが生じます。何かを得ようと思うなら何かを捨てなければならないのです。

 

辞めてまでやりたいこと、ありますか?

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ここを明確にしておかないと、退学後ダラダラと時間を過ごし、学歴もなければ職歴もないどうしようもない中年になります。人間は老いやすい生き物です。20歳ごろは体力も頭脳も無限のように思えますが、この頃と同じエネルギーを30歳以降で発揮するのはなかなか大変です。逆に言えば、若くてエネルギーのある時間をいかに有意義に使うかが今後の人生を決定するのです。

 

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なので、どうしても辞めたい場合には深く自己分析することを進めます。どの大学に行きたいか、他の学部で勉強したいのか、資格を取りたいのか、働きたいのか、お金をためたいのか、自分が人生で何を実現したいのか、よく考えてください。

よくあるのは、医学部に行きそびれて薬学部に流れた人が、未練を断ち切れずに医学部の再受験を行うケースです。薬剤師は医者の代わりにはなりませんからね。自分がどうしても捨てきれない夢があるのなら、それに挑戦すべきと思います。若さは力です。本当にやりたいことがあるなら、全力でぶつかっていくべきです。

 

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ただ単に薬学部の勉強が難しいからいや、楽をしたい、逃げたい…それだけの理由では、辞めたあとにずるずる怠けてしまう危険性があります。ネガティブな理由だけで逃げてしまうと、その先の人生を生きていくモチベーションがどうしても下がってしまうのです。なので、辞めるならば次にどうしたいかをちゃんとイメージしておいたほうが有利です。

 

退学するなら、決断は早いほうがいいのかも…

上の話と一致しないのかもしれませんが、「絶対やめたい」「やめたらこれをする」と決意しているのであれば、退学は早めにしたほうがいいです。6年の9月に突然やめて医学部の再受験を行った結果高卒ニートの人もいます…若さを溝に捨ててしまうのは非常にもったいないので、どうせ辞めることが確定してるなら、ずるずる在学しないほうがいいです。

友達や家族に相談してもいいでしょう。ただ、他人があなたの人生に責任をとってくれるわけではないので、最後に頼れるのはやはり自分の意思です。とにかく叶えたい夢、実現したい目標があるなら、周りの意見を振り切らなきゃいけないときもあります。他人のために生きてるわけではないので。

 

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やめたい…と漠然としか思っておらず、でもやりたいこともないのであれば、頑張って卒業・免許取得までこぎつけたほうがいいと思います。そこまで行けば、後の人生はなんとかなるので。今の世の中、いまだに学歴社会なので、高卒で働ける範囲が制限されることもあります。得られる学歴と免許はちゃんと得ましょう。

本当にやりたいことがあるなら、決断は早いほうがいいかもしれません。絶対卒業できない、と確信しているなら、無駄にしている時間はありません。

今日が一番若い日であり、夢を目指すなら早いうちに動くべきです。未来のことをしっかり考え、この先の進路に明確なビジョンが見えたら、新しい道に進むのもいいかもしれませんね。