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薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

とりあえず3年、という働き方は薬剤師の転職にも該当するのだろうか

転職

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とりあえず3年。

昔からよく聞く言葉ですよね。

とりあえずどんな職場でも3年はいてみないと仕事の面白さがわからない。

そこで経験を積んでみなければ自分の向き・不向きは判断することができない。

だから、最初は多少理不尽な目を受けても、3年間は勤め上げてみよう。

昔から言われていることです。

なんで3年なのかはよくわかりません。

「石の上にも3年」ということですかね。

この考え方って今でも当てはまるものなのでしょうか。

時代遅れの考えではないのでしょうか。

そして薬剤師の転職にもあてはまる考え方なのでしょうか。

プロになるには10000時間を費やせ

このような言葉があります。

どんな道でもその筋で認められる知識やスキルを得たければ1万時間を実務に投じろ、というものです。

かの世界的バンドビートルズも、あのブレイクの裏には1万時間の下積みがあったといわれます。

1万時間。こう聞くと果てしなく長い時間のように思えますよね。

会社員生活に当てはめてみますといかがでしょう。

1日8時間勤務、週40時間、月160時間。

これを12か月、年1920時間。

1万時間に到達するには、約5年。

残業なども加味すれば多少短くなると思いますが、「1万時間でプロ」説を信じるならば、だいたい5年前後は仕事に費やす必要があるようです。

私も会社員時代、お世話になっていた先輩に「1万時間」説を説かれました。

先輩が言うには、どんだけどんくさい覚えの悪い社員であっても使い物になる時間というのがこの1万時間なのだそうです。

つまり1万時間というのは才能や天性のスキルにめぐまれなかった人でもその筋として一応ちゃんと食っていけるだけの能力を養成するために必要な時間、ということです。

この1万時間説が、前述した「とりあえず3年」にもつながってきているのではないでしょうか。

今時は時間外労働に厳しい会社も多いですが、とりあえず、残業ゼロの職場で働いている人というのはなかなか少ないもんでしょう。

毎日朝から晩まで仕事漬けで働いている人であるならば、「3年で1万時間」という目標も容易に達成できるはずです。

近頃は時代の進みが早く、常にだれもが生き急いでいて、コンテンツが生み出されては消費されて捨てられていきます。

そんな荒波を生き残っていくには、もはや「3年で1万時間」というのが当たり前になってきているのでしょう。これは薬剤師に限らず、ほかのあらゆる職種にも通じる話です。

とりあえず3年、で思考停止していないか

個人的に、私は仕事というものは続けるべきだと思っています。

「仕事がつまらないから」「おもしろくない」「なんとなくやりたいことと違う」

そのようなふわっとした理由で転職してしまっては、この先も同じようなことの繰り返しです。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

新しい職場を選んでも、そこが面白くないようでしたら元も子もありません。

「逃げ」の転職を繰り返すようでは、履歴書は汚れていくばかりですし、自慢できるスキルも身に付きません。

転職を経験した私がいうのも心苦しいですが、基本的に仕事は続けていくものです。

多少のストレスとは折り合いをつけながら働いていくのが社会人として一般的な姿でしょう。

しかし、怖いのが「とりあえず3年いよう」にひそむ罠です。

とりあえず3年働く。

このことに執心するあまり、3年後のことは何も考えないまま仕事を続けていくことのリスクもあるからです。

これは前記事にも書きましたが、「未来を想定せずに動く」ことは、現代において大きなリスクです。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

自分の目指す場所、なりたい姿、身に着けたい知識…

ぼんやりとしていてもいいですから、それをイメージする練習をしておくことは非常に大事です。

この未来イメージの習慣は、学生時代のみならず、社会人になってからも非常に重要です。

むしろ、社会人になってからのほうが大事かもしれません。

「とりあえず履歴書が汚れないように3年は働いてみたけど、この先どうしよう?」

「3年働いたけど、相変わらずやりたいことが見えてこない…」

「この先自分がどうなりたいのか全く考えたことがない…」

こんな状態が続くことは少し危険です。

そりゃ今の職場のまま働き続けることが可能なら、継続したほうがいいでしょう。

しかし、今の職場で働くことにより、心身を壊すリスクがあったり、一切業界で役立つ知識が身につかない危険性があったりするのであれば、キャリアを考え直す必要があります。

現に私は、体を壊したことにより製薬会社から病院へ転職しました。

製薬会社で新卒からずっと働き続けるつもりでしたが、現実は思うようにはいきません。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

いい職場に就職できたと思っていても、それがいつまでも続くとは限りません。

常に自分の状況に危機感を持って、「どうすれば生き残れるか」を考えながら働くことは非常に重要です。

ぼんやり3年働いているだけでは、「ただ時間を重ねただけの薬剤師」になってしまう危険性だってあるのです。

未来型薬剤師を目指そう

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結局のところ、昔のままの薬剤師として働こうと思っていては、いつか頭打ちになります。

薬剤師業務だって今のまま安定するとは限りませんし、いつ機械にとって代わられるかわかりませんし、弁護士や歯科医のようなワーキングプアになるとも限りません。

薬剤師免許を取れば一生安泰。

昔はそうだったかもしれませんが、この先もそうだなんて誰にも断言できないでしょう。

少なくとも私は、薬剤師の現状については危機感を抱いています。

6年制薬学部に変わったことの業界への影響はまだ実感していませんが、「仕事が忙しくなった」「人手が足りない」ことはここ数年で急速に感じつつあります。

薬剤師飽和も懸念される現代において、今後必要とされるのは、常に未来の時代を見据えて働くことができる薬剤師です。

ただぼんやりと調剤と服薬指導だけしておしまい。

そんな仕事の繰り返しでは、いずれ限界が来てしまいます。

後続の優秀な薬剤師たちにつぶされてしまうことは確かでしょう。

若い薬剤師たちに言えることは、旧来の薬剤師と同じようなことさえしていれば、未来永劫安定、なんて考えは通用しないということです。

常に業界に懸念を持ち、次に必要とされるものは何かを見据え、それが手に入る場所に飛び込んでいく勇気が必要ということです。

そのためには「とりあえず3年」知識や経験を磨き、プロへの道を目指すこともまずもって重要ですが、同じ場所で苔が生えるまでボンヤリ過ごすのではなく、新しい道に突っ込んでいく度胸だって重要です。

特に若いうち、20代は、そのような決断が比較的しやすい時期ですから、注意深く業界を見まわし、「自分が次に行くべき場所はここかもしれない」というアンテナを張り続けることは重要です。

未来型の薬剤師になりましょう。

真に患者さんから、医療従事者たちから求められる薬剤師を目指しましょう。