読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

服薬指導が難しいたったひとつの理由

f:id:method-of-pharmacist:20160713110928j:plain

服薬指導って難しいですよね。

服薬指導に困っている薬剤師さん、学生さんも多いのではないでしょうか。

実務実習中、患者さんへの服薬指導でやらかしてしまった人もいるのではないでしょうか。

非常に難しいです。

患者さんを怒らせてしまったり困らせてしまったり…思った通りに指導ができなくて落ち込んでしまう人もいるのではないでしょうか。

服薬指導は難しいです。

簡単な仕事ではありません。

雑にすませようと思えばすませられますが、質を求めるなら、際限なく難しくなります。

薬剤師は患者ではない

薬剤師の服薬指導が難しいたったひとつの理由。

それは「患者本人ではないから」に尽きると思っています。

本人のしんどさとか悲しさとかを共感できないんですよね。

通り一遍の説明だけでは納得してもらえないことも多いですし。

薬剤師は薬の知識こそ普通の人よりは多いですが、「病気になった人」の知識について詳しいわけではありません。

副作用を自分の体で経験したことはありませんし、病気の苦しみもわかりません。

そんな人が服薬指導として患者さんの前で説明するとなると、しばしばトラブルが発生します。

「なんでこんなこともわからないんだ」

「なんで共感してくれないんだ」

「なんで私の気持ちをわかってくれないんだ」

…患者さんにこのような思いを抱かせてしまいます。

あくまで薬剤師は薬に詳しいだけなので、患者さんの心理状況に詳しく迫ることはできません。

言葉の選び方ひとつで患者さんをいらつかせてしまいますし、薬とは関係のないところで怒らせてしまうこともあります。

服薬指導でトラブルが起きてしまうもっともシンプルでかつ大きな理由は「薬剤師は患者本人ではないから」。

これに尽きると思います。

患者さんに共感する能力を鍛える

f:id:method-of-pharmacist:20160723182829j:plain

はっきり言って、薬の説明だけなら薬剤師は必要ありません。

インターネットできょうび誰でも薬のことを調べられますし、副作用のことだってわかります。

薬剤師から必ず聞かなければならない情報なんて、実は少ないものです。

だったら、薬剤師がなんでわざわざ対面で患者さんと接して情報提供しなければならないのか、というところです。

そこには「情報の提供」にとどまらず「患者さんのモニタリング」であるとか「不安に思っていることへのケア」という役割があるからではないかと思っています。

ただ情報を得るだけならインターネットでも本でも代わってもらえます。

しかし患者さんのささいな言動や様子の変化から、薬の副作用の可能性を見出したり、患者さんが不安に思っていることをくみ取る仕事というのは、簡単に機械に代用されるものではありません。

人の仕事がどんどんオートメーション化されていく中で、最終的に必要とされるのは、「コミュニケーション」の能力なのではないかと思います。

コミュニケーションが希薄な現代においては皮肉な話ですが。

私たち薬剤師は、日々患者さんに寄り添った服薬指導ができるように努力していかなければなりません。

服薬指導コンパクトブック [ 水田尚子 ]

価格:1,944円
(2016/7/23 21:24時点)
感想(0件)

この先、どれだけ「患者さんにしかわかりえないつらさ、苦しさ」に共感したり、「患者さんすら知りえない副作用の前兆」を察知したりするスキルを高められるかが、未来の薬剤師の服薬指導に求められることなのではないでしょうか。

つくづく痛感しますが、情報だけならインターネットに勝るものはありません。

情報提供するだけの薬剤師ならアッという間に機械に負けてしまいます。

医療の根幹は「癒し」「安心させる」ことにあります。

人間の心をどうホッとさせ、治療に前向きに向かわせるか。

そこがこれからの薬剤師の腕の見せ所でしょう。