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薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

【仕事】うつになる前に「心療内科」「精神科」への受診を。怖い場所ではありません

仕事

現代はストレス社会。

仕事に人間関係、家庭問題、お金のこと……

悩みを持っていない人などいない、といってもいいくらい、今を生きる人の頭に悩みは尽きません。

特に働く世代の方にとっては、仕事に関するストレスは非常に大きいでしょう。

毎日過剰な労働量、上からのパワハラモラハラ、リストラの懸念、同僚との不和…

会社で働いているだけでもイライラすることは絶えません。

いらだちや不安のあまり眠れなくなることもあるでしょう。

しかし、そんな日々があまりにも続くと危険です。

 長時間労働は心身の活力を奪う

当たり前すぎる話ですが、長時間働きすぎると人は病みます。

数日間ならともかく、その労働状態が長期化すると、顕著に人は不調をきたします。

私もブラック環境で病院薬剤師として勤務していたときは日付が変わっても仕事をしていることなんてざらでした。食事はお昼にコンビニで買ったおにぎりだけ……栄養バランスもめちゃくちゃですし、空腹をいやすためだけの食事でした。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

そんな生活ではもちろん健康でいられるわけがありません。

心も体もおかしくなり「このままでは働き続けられない」と判断し、1年で職場を去ることにしました。

 

転職したことへの後悔はありませんが、当時の体調不良は今もときおり蘇ります。

一度無理をして壊した体というのは、簡単にもう一度壊れます。

折れた柱を接着しても、その傷口をつついてやったら簡単にもう一度折れてしまうのと同じです。心を病むというのはそういうことです。

 

今思えば早めに心療内科や精神科に診察に行って、薬と診断書をもらって、仕事から離れるべきでした。いつまでも仕事にしがみついて、本当に大事な健康を危うく永久に失うところでした。

 

精神科・心療内科は怖い場所だと思っていた

薬剤師でありながら、私は精神科や心療内科に偏見を持っていました。

医療従事者でありながら恥ずかしい認識です。

 

「精神科や心療内科は、心が弱い人が行く場所だ」

「薬づけにされたらもう二度と薬なしでは普通に生きられないのだ」

「製薬会社と共謀して抗精神病薬をたくさん処方されて一文無しにされてしまうのだ」

 

……そのような誤った認識が私の中にありました。

今思うと、非常に偏見に満ちた考えでした。

本当に危険なのは精神科や心療内科に行くことより、治療をしぶって自分の今の不調から目をそらし続けることでした。

 

仕事でさんざん心が折れてぼろぼろになったころ、「このままじゃだめだ」と思って内科の診察を受けました。

症状を話したところ「内科よりも心療内科の方が向いている」と言われました。

精神衛生の悪化が身体症状に現れている場合、それは心療内科の担当です。

不眠や悪心、腹痛などの症状が出ている場合ですね。

 

先生に紹介状を書いていただき、心療内科に行くことを決めました。

心療内科では先生に症状をあらいざらい話し、適切な薬を処方していただきました。

何日も不眠に悩んでいたのに、処方されたマイスリーを飲み始めてから、うそのようにスムーズに眠れるようになったのを覚えています。

 

現在はマイスリーなどの睡眠薬を飲んでいません。代わりにグリシンなどのサプリメントを使ったり、アロマオイルを香らせたりしています。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

 

当時は何をしても眠れなかったので、睡眠薬を処方していただいたのは非常にありがたかったです。

十分な睡眠がとれるようになって、ようやく思考が正常化していったのを覚えています。

 

精神的・肉体的に不安があれば、相談してください

 

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心療内科や精神科が怖い…と思う方はたくさんいらっしゃると思います。

よくわかります。

薬剤師の私でさえ、怖い場所でした。

薬漬けにされるのではないか、ぼったくられるのではないか……そんな不安はずっとありました。

 

しかし、それ以上に、「今ある問題を解決する」ことは意義があるのではないでしょうか。

 

仕事がつらかったら、仕事を休む。

病院を受診して、適切な薬を処方してもらい、薬を飲みながら休養をとる。

それでも仕事に復帰できない、あるいは労働状況がつらすぎる場合には、転職を検討する。

 

私は病院薬剤師が激務薄給である現実に絶望してしまい、転職しました。

残念ですが、自分の身の安全を守るためには適切な判断でした。

method-of-pharmacist.hatenablog.com

 

薬が怖ければ、先生に怖い気持ちをちゃんと言いましょう。

誠実な先生であれば、患者さんの気持ちをきちんと受け止め、怖い気持ちにも共感して下さり、その患者さんに合った薬を処方します。

 

逆に、患者のいうことをないがしろにし、勝手に薬を処方するような医者のいうことは聞かないようにしましょう。

ちゃんと患者さんの話を聞いてくれて、症状を理解してくれて、要望に対応する努力をしてくれる先生を選びましょう。

 

薬がくせになるのが怖ければ「くせになりにくい薬を処方して下さい」とお願いしましょう。薬は「リスク」と「ベネフィット」のバランスで使うものです。

「くせになる」リスクを大きいと考える患者さんであれば、それに対応した薬を処方してくださるはずです。まともに知識のある、誠実な先生であれば。

 

「病院は怖い」「くすりを飲むのが嫌だ」

そんな気持ちももちろんわかりますが、今現在の「眠れない」「食欲がない」「何をしても気持ちが浮かばない」……そのような症状を放置し続けるほうが、危険なように私は思います。

医師はプロです。プロに相談することなく素人の考えで症状を放置し続けることは、薬を飲むことよりも恐ろしくは感じないでしょうか。

 

私たちは薬剤師なので薬を処方することはできません。

しかし調剤薬局や病院で、患者さんからの相談を受けることは多々あります。

そして、心に不調を感じている患者さんについては「医師に症状を話して適切な薬を処方してもらうこと」をおすすめしています。

 

折れた心を放置することは、とりかえしのつかない傷を生むことになりかねないからです。

 

たった1回、相談するだけで事態が好転することもあります。はじめてであれば、予約なしで入れるクリニックを受診してみることをおすすめします。(予約する手間が結構しんどいので)

 

症状を放置せず、気になったことは早いうちに相談してみてください。

あなたが元気になることを、あなたのまわりの大切な人たちも望んでいるはずです。

 

怖いかもしれませんが、まずは第一歩を。

 

メンタルヘルスケアが今よりもっと身近なものになることを願います。