読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

「君の名は。」ネタバレ感想と疑問点。瀧が三葉を好きになった理由は?入れ替わった原因は?

雑記

おすすめ映画エントリ

method-of-pharmacist.hatenablog.com

「聲の形(こえのかたち)」映画ネタバレ感想。硝子が将也に告白した理由は? - 薬剤師のメソッド

ファインディング・ドリー ネタバレ感想。ADHD?なドリーから障害やハンディキャップとの付き合い方を考える - 薬剤師のメソッド

 

 

アカデミー賞長編アニメーション映画部門の審査対象へ。

もはや留まることを知らない。岐阜県を舞台にした映画が、日本へ、世界へ飛び立っています。

2016年不動のナンバーワン映画となった「君の名は。」は、新海誠監督の傑作です。

 

10代からアラサーにもおすすめです。

号泣まではいきませんが、美しい情景描写とたくみなストーリー展開に心を奪われます。

 

先日映画館で「君の名は。」を観てきました。

 

正直、予告編だけでは「よくある入れ替わりものなんだな…」くらいにしか思っておらず、映画館までわざわざ足を運ぶ必要もないかなって思っていました。しかし、ネット上の高評価、さらに友人知人が口をそろえて「面白かった!」というもんだから、「そんなにいいなら行ってみよう」と重い腰を上げることにしました。

 

アラサー女が1人で映画館で「君の名は。」を観るのは絵面としてどうなんだろう、と思いましたが、意外にも同じような人はたくさんいたので助かりました。隣はリア充学生カップルがいちゃいちゃとポップコーンを分け合っていたのでしょっぱい気分になりましたけどね。

 

 アラサーにも優しい物語でした

正直、10代の少年少女の恋愛物語に共感できるのかな?という不安はありました。昔から青春モノってあんまり好きじゃなかったので。

 

ただ、ストーリーが単純に面白い。

単に男女が入れ替わるドタバタラブコメディなのかなって思いきや、「入れ替わり」は物語のキーの一つでしかないんですよね。

 

あくまで物語の主軸は「3年前に死亡したヒロインを助ける」「彗星衝突で破滅した故郷を助ける」であり、そこから大きくずれることなく進むので、恐れていた「少年少女の胸キュンストーリーに置いてきぼりにされるアラサー視聴者」という事態は免れることはできました。

 

ラブストーリーに興味が無い方でも、ストーリーの単純な面白さで見入ることができると思います。私も気づいたら前に乗り出して鑑賞していました。

 

ただ、「泣ける物語」という期待を持って鑑賞すると、少し違うかなあ…って感覚です。あくまで私の感想ですが。

 

隣の女性はポップコーンを食べながら泣いていて「どっちかにしろよ」と思いました。そこまで泣ける感覚が少し羨ましかったです。切ないストーリーではあるけれどか感情移入するにはあと少し足りない感じがしたので。

 

もっとピンポイントに涙腺を刺激してくるシーンがあるのかと思いきや、そういう「狙った」シーンはあえて外されているのかな、といった感覚です。10代のような若いマインドを持った方は泣けるのだとしたら私が老いたということなのでしょう。

 

でも非常に面白かったですよ。キャラクターたちの年齢層じゃない人が見ても十分ひきこまれる内容だったと思います。絵の美しさを見ているだけでも2時間あっという間ですしね。飛騨高山の美しさがこれでもかと表現されています。

 

ストーリーの切なさに泣く、というよりかは、絵の美しさに見惚れることが多かったかな。

 

飛騨高山の風景、彗星の空、大都会の情景描写はアニメならではの美しさでした。ラッセンの絵を連想させます。

 

割れる彗星とか、糸守町の遠景とか本当に綺麗。息をのむ美しさです。絵の美しさだけでも映画館に行く価値はありますね。

 

キャラクターデザインもかわいらしかった。ストーリーの緻密さに涙する、というよりかは、作中の雰囲気や情景描写に惹きつけられる映画でした。

 

もちろんただの雰囲気アニメではありません。

 

途中で「三葉は過去に死亡していた」事実が発覚しますし、「三葉が生前に奉納した口かみ酒を飲んで、過去にワープする瀧」のシーンは衝撃的でしたし、ワチャワチャしながらもオチがハッピーエンドで済むのですが、見ていて目が離せません。

 

大団円でよかったよかった、といったところです。

 

RADWIMPSの音楽もかっこよかったです。「前前前世」が流れるシーン、すごくいい。RAD、いつのまに大人の風格がどっしり漂うかっこいいバンドになっていて驚きです。

君の名は。 [ RADWIMPS ]

価格:2,916円
(2016/9/23 20:55時点)
感想(18件)

 ただ「前前前世」

この曲名にミスリードされた視聴者さん、多かったんじゃないでしょうか。

 

実際は、前前前世も前前世も前世も話には出てきません。

 

2013〜2021年(たぶん)の話です。

物語のキモは、2013年を舞台に動きます。

 

2016年に生きる17歳の瀧少年が、2013年に彗星落下で死亡した三葉と彼女の故郷を守るため、三年前にタイムスリップ&彼女の身体に入り込み、奮闘する物語です。

 

いろいろあった2人ですが、最後には無事再会。かつて入れ替わっていた記憶は失われているようですが、おたがい「誰かを探している」という感覚をここで共有し、互いの名前を確認するシーンで終わります。

 

アラサーになってから運命の人と再会する、っていいですね。現実のアラサー鑑賞者にも希望を与える結末で非常によかったと思います。10代の時間軸だけで完結してたらあまり共感できなかったかもしれません。

 

 

※アラサーといっても瀧は22~23歳、三葉は25~26歳なので、厳密なアラサーの定義からは外れますね。三葉に関しては「四捨五入したら30」なのでざっくり言うとアラサーですが。

 

以下、「君の名は。」を観て、誤解していたこと、疑問に思うこと。

・1200年のタイムスリップ物と勘違いしていた

映画を見る前の「1200年に一度の隕石」、RADWIMPSの「前前前世」、三葉の巫女姿という情報から、勝手に現代と1200年前をワープする物語だと思い込んでいました。

実際には、ワープするのは2013年と2016年。たったの3年です。前世ですらなかった。

 

彗星接近をきっかけとして、瀧と三葉の二人が入れ替わりをしていて、実はこの二人は1200年前にも交わっていたんだよ!みたいな話だと勝手に予想していました。あの巫女姿は、三葉の前世かと思っていました…同じような勘違いしていた方いませんでしたか?

 

実際のストーリーにはスマートフォンがカギになってくるので、古代どころかむちゃくちゃ現代的な話になってくるんですけどね。

 

 

ただ、人と人、時代と時代をつなぐ「ムスビ」という言葉が宮水家で受け継がれてきて、話の核にも絡んでくるので、非常に古代の日本ならではの神道的な考えが反映されているかもしれません。

 

ジャポニズムな話ですね。海外受けもすごくよさそう。

 

・三葉の髪型、どうなってんの?

瀧君が入れ替わっている間はポニーテールになっているのもよくわかります。あの髪型なんなんですか…?三つ編みを持ち上げて頭頂部で固定させるあの髪型はいったい…?かんざしでも指しているんでしょうか。

 

映画「君の名は。」“三葉ヘア”を完全再現!簡単プロセスで解説 - モデルプレス

↑三葉ヘアのつくりかたを紹介したサイトです。 

 

頭頂部の髪の毛を少し残し、残りの髪の毛で三つ編みをつくる→三つ編みを持ち上げて、頭頂部の髪の毛と一緒にポニーテールの要領で組みひもできつく結ぶ、という感じなんでしょうかね。

 

さすが巫女の一族というかなんというかヘアスタイルも独創的です。あんなの毎朝毎朝するの大変そう…

 

あと三葉の初期のあみあみヘアは、「ムスビ」を強調する宮水家の象徴でもあるのかなあって思いました。

 

組紐を瀧に託し、髪の毛を編めないくらいの短さにした=ムスビを失った三葉はその直後に死亡します。

そしてさらに終盤、瀧と再会した後は、瀧から渡された組紐を頭に「結んで」います。持ち主の手を離れた組紐が、カタワレ時というタイムパラドックスを飛び越える時間を利用して、またもとに戻ってくる。

 

髪型や小道具で瀧と三葉の運命的な結びつき、別れ、再会を表しているのかなって思いまいた。

 

つくづく思うのですが、なぜ野田洋次郎プロデュースのAimer「蝶々結び」は劇中曲に起用されなかったのでしょう。君の名は。の世界観にぴったりの曲だと思うんですけれどね…

 

ボブになったりロングになったりストーリーの要所で三葉の髪型は変化するので、そのへんで時間の流れを感じるのも楽しみ方のひとつかもしれませんね。瀧君はまったくビジュアル変わりませんもんね。

 

・そもそも「入れ替わり」の原因って何?

瀧がノートに「原因:不詳」って書いていますよね。二人が入れ替わった理由って、物語中で明示されていましたっけ…三葉の家の血が、「入れ替わりの夢」を見せる力を持つからってことでしょうか?

 

一葉おばあちゃんも「昔私も同じような夢を見た」って言ってましたよね?ということは、「入れ替わり」が起こったのは、三葉、つまり宮水家の人間が持つ特殊能力?四葉も入れ替わり能力があるのかもしれませんね。

 

「この古臭い町から解き放たれて、都会のイケメン男子として暮らしたい」という三葉の願い(遺志?)が、3年先の世界で生きる瀧との入れ替わりを実現したんでしょうか。

 

そして「田舎の慣習から解放されて自由に暮らしたい」という思いが、皮肉にも、隕石衝突による故郷の消滅、という形で実現してしまいます。瀧と再会できた三葉は、すっかり東京が板についた都会の大人の女性になっていましたね。

 

・なんで瀧と入れ替わったの?

「都会のイケメン男子」だから?それだけの理由でしょうか?そしたら、三葉の時間軸とリアルタイムに生きる東京男子と入れ替わってもよくないですか?なんでわざわざ3年先に生きる17歳の瀧と入れ替わったの?三葉の死亡、糸守町の壊滅を防ぐために?

 

自分を助けてくれそうな未来に生きる少年を、三葉が自分の特殊能力で選んだということでしょうか。小説版を読めばわかりますが、三葉の家族もかつて、知らない誰かと入れ替わった現象を経験します。宮水家の血なんでしょうね…

 

そしてその入れ替わりの現象は、おそらくは、「糸守を守る」という宮水家の使命が引き起こすのでしょう。そのために選ばれたのが、瀧だったのでしょう(三葉が自分で瀧を選んだ描写はありませんが、結果としては、三葉、というか宮水の血が、瀧を呼びよ

せたのでしょう。糸守を守る「勇者」として適役、ってことですね)

 

入れ替わりというより、無意識のうちに、三葉が瀧と自分を入れ替えたんですよね。破滅する運命にある自分たちと糸守町を守るために。

 

この映画は、巫女・三葉に選ばれた普通の少年・瀧が彼女を救うために奔走する物語、といってもいいですね。

だって、瀧の生活にとって、三葉と入れ替えするメリットは特にないんですから。東京の生活がなにか変わったわけじゃない。先輩と恋人どうしにもなっていない。

 

三葉は瀧と入れ替わることで数々のメリットを経験します。

  • 家族のしがらみから解放される
  • 都会暮らしができる
  • イケメン
  • カフェ巡りできる
  • 自分に惚れてくれる
  • 命がけで自分を助けに来てくれる
  • 結果、自分と自分の故郷の壊滅を救ってもらう
  • 故郷が壊れたのでちゃっかり上京
  • かつて恋した瀧に、大人になってからちゃんと再会する(ハッピーエンド)

一方、瀧はどうでしょうか?

普通に考えて17歳の女子高生の体になったらそりゃうれしいでしょう。しかし、それ以外に、物語のコアの筋として、三葉と入れ替わったことで瀧のメリットってないはずです。

 

完全に三葉のために選ばれた存在、それが瀧です。

 

こうなると、瀧が三葉に惚れたことさえ三葉の能力に思えてきます。巫女一族、さすがだな。

 

正直、映画を見る前は「瀧と三葉は前世でつながりがあったから、現世でも入れ替わる運命になったんだ」と予想していたので、本編では二人が入れ替わった理由や、なぜこの2人じゃなければならなかったのかが触れられなかったのが「?」でした。完全に「前前前世」にミスリーディングされましたね…

 

・瀧に漂う「ライトノベルの主人公」感

瀧君は君の名は。のもう一人の主人公です。三葉の対になる存在です。

そのわりに、瀧君のキャラって薄くないですか?

そのように感じたのは私だけでしょうか?

 

たしかに設定はたくさん盛り込まれています。

 

都会のマンションで父と暮らしている、おしゃれなイタリアンレストランでアルバイトしている、アルバイト先の女性の先輩に片思いしている、けんかっ早い、バスケットボールが得意、絵を描くことが得意、イケメン、そして三葉のためなら口噛酒を飲んでタイムスリップする覚悟があるほどの行動力。

 

普通の男子高校生を越えるハイスペック男子でしょう。ストーリーの主軸は彼を中心として進みます。なんせ物語の後半からは三葉は死亡しているので、話を瀧が進めるしかないのです。

 

絵面によく出てくるのは「三葉」ですが、彼女の中で実際に行動を起こしているのは「瀧」。そういう奇妙な現象が物語後半には多発します。後半からは瀧in三葉はほぼ出現しませんからね。

 

ただ、瀧くんという人間のキャラがどうしても薄く感じられ、なんとなくですが「ライトノベルの男子主人公」感があります。本人は無自覚だけどハイスペックで、女の子に意外にもてて、ヒロインを助けるために、世界を救うために意図せず騒動に巻き込まれる…

 

なんだか瀧くんは「異様なヒロインに巻き込まれた普通の主人公」という、ライトノベルによくある設定を地でいっている印象があります(なんか涼宮ハルヒとキョンのそれに似ていると思ったんですよね。ハルヒも三葉も、普通ではない能力を持っていて、無自覚にキョンや瀧、世界を巻き込んでいますよね)

 

だからこの映画は「三葉に選ばれた瀧」の物語であり、逆に言うなら、「瀧くんそのもの」を表現することにはあまりエネルギーが注がれていないのかなって印象です。瀧君、すごいRPGの主人公感がありませんか?ハイスペックなのに無個性なあの感じ…

 

ダブル主人公というよりは、物語のキーになる「三葉」と、彼女のために行動を起こす「視聴者の分身=瀧」の物語、という印象です。

 

過去に絶命した人の運命を変えるために奔走する男の物語、というと、最近では「僕だけがいない街」があります。しかし、あれは主人公自身にタイムスリップ能力があり、非凡性がありますよね。瀧君は完全に普通の人。ハイスペックだけど、びっくりするほど普通。

 

なんで瀧くんなの?って疑問はありますが、しいていうなら都会住みのイケメンだったからでしょう。もし三葉が地元の誰かに恋していたならその人と入れ替わったのかもしれません。結局は、好みなんじゃないですかね。

 

・「3年のずれ」、途中で気づきませんか?

三葉の世界は2013年、瀧の世界は2016年ですよね。二人の世界に3年のずれがあることを、お互い入れ替わっている間に気づかないもんなんですかね。

 

スマホ開けば今は何年何月何日かとか、テレビを見ればその日のニュースがどうとか、友達と話せば微妙に話題がおかしいこととか、気づかないものですかね…?

 

あの日記アプリでは年数が表示されていなかったので、お互いが過ごしている時間が違うことには気づかなかったのかもしれません。時事ネタとか書き込まない限りは3年の時差って気づかないもんなんですかね。

 

それに、彼らが入れ替わっている時間は、あくまで「夢」ですもんね。記憶があやふやになって入れ替わっている間の記憶の詳細には気づかないのでしょう。このへんはご都合主義っちゃご都合主義かな。

 

本編では瀧は「糸守町は3年前の事故で壊滅した」ことを、実際に岐阜県に行って初めて気づきます。そして、三葉が2013年までしか生きられなかった人物であること、自分が「入れ替わり」で経験した世界は2013年だったことを、そのときやっと気づきます。

 

正直、もっと早く気づかないんですかね?週に2~3回は入れ替わってたし、日記もつけていたし。

 

奥寺先輩とデートした時のやりとりで三葉が「今日は彗星~」と書いていたのを瀧は「??」と反応します。いくら東京と岐阜県で距離感があるとはいえ、10回以上入れ替わって気づかないものか~。

 

・なんで瀧は三葉を好きになったの?

ごめんなさい、よくわかりませんでした…なぜ瀧が三葉に入れ込んで命がけで三葉を助けに行くまでになったのかが、あんまり伝わってきませんでした。

 

おそらく「入れ替わってる」間に、お互いを好きになるようなエピソードがあったんでしょうけど、詳細が省略されてるからよくわからない!そのへん細かく詰めてほしかったな。

 

上映時間の都合もあっただろうけど。感情移入する重要なポイントだと思いますので。

 

手のひらに「すきだ」と書いたあのシーンも、いまいちグッと来ず…。三葉はめっちゃ泣いてたけど、私は「ちょっと待って…」ってなってしまいました。瀧君、ちゃんと名前書こうよ。

 

あれ、10代の視聴者は「やばいまじ無理」って泣いていましたが私は「???」の方が先に来てしまいました。

 

いや、そりゃ入れ替わりを経験した仲だし、命がけで助けようとした女の子なんですから好きになるのは自然だと思いますよ。

 

でもストーリーの中で、そこまで三葉のことを好きになる強烈なエピソードが明示されていなかったので視聴者としてはちょっとおいてきぼり感くらってしまいました。

 

「普通に『たき』って書けよ!!」って思ってしまったのはアラサーの意見なんですかね。ここで『たき』って書いておかなかったばっかりに次の再会は8年後になってしまうわけで…

 

なんか大人になってから再会するラストシーンありきの、あのてのひらへの「すきだ」だったのかなって制作の意図を勘ぐってしまいます。

 

時間がたつと意識が薄れてしまう設定って、悪く言えばご都合主義ですよね。あれだけ好きだった相手を離れて数分したら名前も思い出せなくなってしまうんですから…

 

まあ、奥寺先輩とのデートの時点ですでに指摘されていたように、瀧→三葉はわりと初期で確認されているんですけどね。なんか瀧の描写が薄くて、いまいち人物像がつかめなかったなぁ。

 

瀧が三葉を好きになる象徴的なエピソードがあれば更に感情移入して鑑賞できたと思います。「あれ、いつの間にそんなに好きになっていたの?!」って印象だったので。瀧の心情が、全体的によくわからない。

 

やっぱり「三葉と糸守を助けるために選ばれた瀧」という印象があるので、「彼女を助けるため」の動機として「瀧が三葉を好きになるように」設定づけられた感があります。三葉がめっちゃブスで、性格も悪くて、どうしようもないやつだったら、瀧はあそこまで情熱的に彼女を助けようとしたでしょうか。きっとそうではないですよね。

 

「三葉を助ける」ストーリーありきで瀧が存在するんだな、と思ったので、この「なんで瀧は三葉を好きになったの?」っていう疑問は、「そういう設定なんだ」と理解するのが一番妥当なんじゃないかと思いました……好きにならないと話が進まないからね…

 

もし自分を好きになることも織り込み済みで入れ替わり相手に瀧を選んだのだとしたら、三葉の潜在的な入れ替わり能力は相当なものです。瀧君、三葉のてのひらの上です。

 

三葉が瀧を好きになるのはわかる気はします。田舎暮らしの女の子にとって、東京のイケメンの男子高校生に少し優しくされたら、くらっときちゃうでしょう。ただでさえ田舎にあきあきして東京に憧れを抱いている三葉なんですから。三葉の感情は比較的オープンに描かれていたので、瀧君を好きになる動機は想像しやすかったです。

 

そういや三葉は東京へ瀧に会いに行ったとき「14歳の瀧」を見つけたわけですけど「あれ?子供じゃん?」って思わなかったのかな。あのとき14歳の瀧に邪険にされたから、そして組紐を瀧に託したから、三葉は髪を切ったんですね。

 

 

ん?このとき三葉と出会った記憶が無意識に刷り込まれていたから、瀧は三葉のことを好きになったのかな。序盤でも、三葉に組紐を託されるシーンが夢の中に出てきていましたよね。

 

「入れ替わり」を強調するための家庭設定?

 

余談ですが、「三葉の妹の存在意義は?」って意見をネットで見かけたのですが、私は「ツッコミ役」と「三葉が『男の体』に慣れていないキャラであることの根拠づけ」だと思っています。一人で胸を延々と揉んでいる姉を怪しむ妹のシーンは笑えますよね。

 

あと三葉の家が「おばあちゃん、妹、仲の悪い父」とほぼ女家族だからこそ、男の体になったときの三葉のリアクションが派手になったんじゃないかなーって思います。巫女であることを生まれたころから強いられ、女であることを常に意識させられる環境で生きていた三葉だからこそ、男の体になったら驚きは大きくなります。

(じゃあ瀧がひとりっこなのは何で?というのはわかりませんが。瀧君関係の描写は少ない…)

 

・東京である必要ってあります?

いや、大都会ではありますけど、別に東京が舞台じゃなければならない理由って、なかったかなーって思います。岐阜県なら、それこそ近所に名古屋という都会がありますし。

 

作中でも「東京」でなければならないシーンってありましたっけ?飛騨高山の美しさが存分に描かれる一方で、瀧サイドの情景は「東京」含めて、かなりぼやけている印象があります。

ラストシーンで再会させるためとはいえ、別に東京じゃなくても横浜でも名古屋でも大阪でもどこでもええやんってなります。

 

まあ、田舎育ちの三葉が考える典型的な都会=東京なのでしょう。パンケーキいっぱい食べられてよかったね。

 

・なんで彗星衝突事故のことを瀧が知らないの?

3年前の事故とはいえ、彗星が日本に落ちて500人以上死亡したって、未曽有の災害だと思うんですけれども。それを14歳の瀧少年は時のニュースで目にしていたでしょうに、17歳まで全く知らぬ存ぜぬだったって、ちょっと違和感ありませんか?

 

20年前とかならともかく、3年前……。しかも瀧は彗星が落ちるところを東京から実際に目にしていたわけですから、そのあとの災害も耳にしているでしょうに。なんか腑に落ちない!

 

自分とは全く関係ない事故だったとはいえ、自分が実際に目にした彗星が日本のどこかに落っこちて何百人も死亡した、そんなニュースを耳にしたならば、頭にこびりついて離れないんじゃないですかねえ…

 

17歳になって直接糸守町に行くまでそれを知らなかった、って今時ありうるかなって。

 

・友達の違和感

いや、最初のころの友達のリアクションには納得ですよ。女の子が男勝りな動きをしたり挙動不審だったりするんだから怪しんで当然ですよ。

 

問題は後半です。瀧が口噛み酒を飲み、3年前の三葉と入れ替わってからの展開です。

 

ここで幼馴染のテッシーとさやちんを説得にかかりますが、なんかうまくいきすぎてませんか?

 

彗星が明日には落ちて故郷が滅び、そして全員死んでしまう、そんな突拍子もないことを言われてすぐに信じて三葉に協力するこの二人の友達の行動が少し腑に落ちませんでした。

 

そして住民避難作戦を仕掛けている間の瀧の行動。大股開きで座ったり男言葉全開だったり、もう三葉ぶることを一切していません。

 

三葉のお父さんに「おまえは誰だ」と言われてようやく瀧は自分では住民避難作戦を成功させることができないと悟りますが、それではそもそも、普段から付き合っているあの友達二人は、「瀧が入った三葉」の言うことやることに違和感を覚えなかったのでしょうか?

 

三葉のお父さんより先に「おまえは誰だ?なんで三葉の中に入り込んでるんだ?」と問い詰めたりしなかったのでしょうか。

 

どうもここが不自然で、後半の幼馴染二人は三葉と瀧のために都合よく動いてくれるキャラクターにしか見えませんでした。

 

幼馴染がいきなり男言葉になって行動もがさつになってあげくに「明日には故郷が滅びてみんな死ぬんだ」なんて言い出したら、「こいつはおかしい。こいつは三葉じゃない」って直感的に感じてもおかしくないと思うんですけどね。

 

あそこでほいほい二人が三葉を信じて、犯罪的行為にまで簡単に協力してしまうのがちょっと腑に落ちませんでした。三葉のしぐさといいしゃべり方といい、あれは「瀧」なのになあ。

 

なんか三葉の父親に「おまえは誰だ」と言わせたいがために、幼馴染二人はあえて鈍感=三葉の中に別人が入っていることに気づかないキャラクターにしているのではないかと穿った見方をしてしまいました。

父親のいる役所に行き着く前に三葉の正体を見破られてしまってはストーリーが進みませんからね。

 

一回しか見ていないから見逃しているところたくさんあるかもしれません。でも、とりあえず思いついた疑問点は列挙しておきました。

 

いろいろ不思議なところもあるけれど非常に面白い映画でした。シン・ゴジラといい今夏の邦画は見ごたえありました。

 

小説で捕捉されている部分もかなりあるようです。宮水家の謎、三葉の父親、そして映画ではあまり触れられなかった瀧の心。

特に小説「Another Side」では詳細に描かれています。入れ替わり生活の面白エピソードも収録されていますよ。

【君の名は。スペシャルガイドブック付き】 君の名は。【新品】君の名は。 Another Side:Earthbound(君の名は。 Another Side:Earthbound)(角川スニーカー文庫)加納 新太 【クリックポスト不可】【あす楽 対応】【沖縄・離島不可】9784041046593

価格:1,680円
(2016/9/23 20:56時点)
感想(0件)

小説版はミリオンセラーを記録しました。映画も小説も驚異的なヒット作となりました。

興行収入がいよいよ205億円を突破し、邦画では「千と千尋の神隠し」に続く第2位となりました。

 

「君の名は。」が邦画歴代ナンバー2の映画になることはほぼ確定しました。消費が進まなくなった現代とはいえ、良いものは売れるのですね。クリエーションにかかわる人にとってはとてもモチベーションの上がる話題だったのではないでしょうか。

 

かわいいキャラクターに美しい絵、わかりやすくも謎の多いストーリー。全部が絶妙なバランスで配合されているので、見る人を選ばない映画になっています。

リア充も非リア充も、今のうちに見に行きましょう。

 

 

ほかの映画エントリ

method-of-pharmacist.hatenablog.com

method-of-pharmacist.hatenablog.com

method-of-pharmacist.hatenablog.com