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薬剤師のメソッド

進学、就職、国家試験、転職など薬剤師の人生についていろいろ

「体調管理も仕事のうち」への違和感。シックリーブ制度が日本にもあればいいのに

仕事

「体調管理も仕事のうち」って良く聞きますよね。

とくに会社に入ったばかりの新入社員の方は、社会人としての心得としてよくそれを聞かされると思います。

私も会社員時代、上司や先輩には「体調管理も社会人の仕事だからな」とよく言い含められました。

当初は何の違和感も抱かず「そうか。社会人は体調管理が大事なんだな」としみじみと思ったものです。

しかし、最近、この言葉についてある違和感を覚えるようになっています。

仕事をする身である以上、体調管理は重要

もちろん体調管理はとても大事なことです。社会人は基本的に平日の毎日を仕事に費やすわけですから、年がら年中体調を崩していては仕事になりません。大事な仕事を任せていたのに「今日休みます」「すいません今日も休みます」「すいません今日から入院します」「すいません今月もう来れません」なんて言われたら上司は泣きたくなります。いかに優秀な人であっても頻繁に倒れられてしまったら、任せられる仕事も任せられません。

 

仕事をこなし、毎日出勤する。これはとても基本的なことで、かつとても大事なことです。これが当たり前にできてこそ「まっとうな社会人」ぶれるといってもいいでしょう。

 

ただ、人間は必ずどこかで体調を崩すもの

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しかしどんなに自己管理に気を付けている人でも体調は崩してしまいます。どれだけ健康な人でもふいに体調が崩れるタイミングはあります。これは本人だけの責任とは言い切れないケースも多くあります。仕事が立て込んでいるかもしれないし、家族に風邪やインフルエンザを罹患した人がいるかもしれない。

 

そもそも多くの社会人はウイルスの温床である「満員電車」に乗って通勤するわけです。

 

そしてウイルスキャリアーがうようよ歩き回る「オフィス」の中で一日仕事をするわけです。

 

こんな環境で仕事をしていて365日24時間「俺は元気だぜ!!」って言える人ってなかなかいないでしょう。健康すぎでしょう。

 

余談ですが製薬会社のMRは風邪をひくと問答無用で病院への立ち入りを禁止されます。当たり前ですよね、ただでさえ病人がたくさんいる施設にさらに新たな病原菌やウイルスを持ち込むようなものなのですから。患者さんや医師にとってみたら大迷惑です。

 

とにかく、人間はどれだけ体調管理に気を配っていても体調を崩すものです。これはもう本人だけの問題ではありません。

 

季節がら絶対にこの時期には風邪をひいてしまうという人もいます。ほかの人と比べて体調を壊しやすい人というのもいます。本人がどれだけ体調を壊さないように気を配っていたとしてもです。

 

そのような「やむをえない」体調不良に関しても、「体調管理も仕事のうち」という言葉を投げることについて私はいささか疑問を覚えます。

社員をねぎらうつもりで「体調管理も仕事のうちだからな、しっかり休んで回復するんだぞ」というつもりでその言葉を使うのなら納得です。

 

しかし「なんで体調崩すんだよ!体調管理も仕事のうちだろ!?おまえ体調管理もできないのかよ、社会人失格だな!!」というニュアンスをもってこの言葉を使うのであれば、人間の体について無理解を露呈しているようなものだと思います。

体調管理に気を配っていてもだめなときはだめです。人間は計算通りに動ける生き物ではありません。

 

不摂生で倒れるなら別だけど…

「体調管理も仕事のうち」。この言葉は不摂生な社会人に対しては意味を持つと思います。深夜まで飲み歩いたり、眠らずにゲームしまくったり、ろくなものも食べずに自堕落な生活を送ったり。自分の生活スタイルがあまりにもだらしないがために仕事に支障をきたし、出社もできない状況になってしまっているのであれば、「体調管理も仕事のうち」と言いたくなるでしょう。

 

しかし、まじめに出勤して仕事をこなし、自己管理も自分のできる範囲で行っているにもかかわらず、やむをえず体調を崩してしまった社員に対してこの言葉を投げかけるのはなんだかなーって思います。

 

そこまで言ってしまったらそれこそ「スーパー健康でスーパー長時間労働にも耐えてくれるウルトラ社畜がほしい」って言っているようなものですよ。

 

海外には「シックリーブ」という休暇制度をもち、人間は体調を崩すものという前提でシステムを作っている国だってあるんですから。

Sick leave - Wikipedia, the free encyclopedia

↑もちろん「JAPAN」の項目はありません。

 

日本も見習ってシックリーブ制度を設けてほしいものです。現状、「余暇のための休み」も「病気のための休み」も両方「有給休暇」扱いですからね……。インフルエンザで有給使った挙句、私用に使う有給が残らなくなったとか笑うに笑えませんよ。

 

毎日在宅ワークで許されるなら別ですけど、雨の日も風の日も満員電車に揺られて、ウイルスキャリアだらけのオフィスで仕事しなければならないのが大多数の日本人労働者なのですから、病気によるお休みにはもう少し寛容になってくれたらいいなと思います。